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2026.05.15 07:30

アンソロピックとゲイツ財団が300億円規模の提携、保健・教育・農業でAI活用

Avishek Das/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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Claude(クロード)の開発元であり、トランプ政権との対立が続くAnthropic(アンソロピック)は、億万長者のビル・ゲイツが率いるゲイツ財団と2億ドル(約316億円。1ドル=158円換算)規模の提携を発表した。両者は保健、教育、農業の各分野におけるAIツールの共同開発に乗り出す。

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ゲイツ財団は米国時間5月14日のプレスリリースでこの契約を公表し、今回の提携はAI開発における公平性の向上を目的としたものだと述べた。具体的には「低・中所得国や支援が十分に行き届いていないコミュニティの医療従事者、教師、政策立案者、そして農家」を支援の対象に据えている。

発表によれば、この提携では4年間にわたって資金が投入され、AI開発は保健、教育、農業の3領域に重点を置いて進められる。

保健分野への投資では、ワクチンの開発やその他のイノベーションを支援するAI技術の開発を目指す。ポリオ、HPV(ヒトパピローマウイルス)、妊娠高血圧腎症といった疾患の治療法開発にClaudeを活用する。

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教育分野においては、米国、サハラ以南のアフリカ、インドにおける学生の成績向上を目的としたAIモデルの開発に取り組む。識字能力の向上を支援するAI搭載アプリや、カリキュラム設計および大学進学指導のためのAIツールなどがその対象だ。

さらにアンソロピックとゲイツ財団は、農業に特化したClaudeの改良も行う。農家に対して「作付けの決定に関する、よりパーソナライズされたタイムリーなガイダンス」を提供していくという。

ロイターは匿名の情報筋の話として、今回の提携の半分はゲイツ財団による資金提供とプログラム設計で構成され、残りの半分はアンソロピックによる技術スタッフの派遣、およびClaudeの利用クレジットで構成されると報じている。

今回のアンソロピックとゲイツ財団の契約が発表される4カ月前、アンソロピックの競合にあたるOpenAIは、5000万ドル(約79億円)規模のゲイツ財団との共同プロジェクト「Horizon 1000」を発表していた。OpenAIはこの提携を通じて、2028年までにアフリカ諸国にある1000の医療クリニックに対し、「資金、技術、テクニカルサポート」を提供することを約束していた。ゲイツが創業したマイクロソフトとOpenAIは長年のパートナー関係にあったが、4月には、OpenAIからマイクロソフトへの収益分配の支払いに「総額の上限」を設けるとの提携内容の更新を発表している。

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翻訳=江津拓哉

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