その他

2026.05.15 07:00

トランプ個人の対中姿勢が描く米中貿易の激変──大豆・石油・乗用車が語る8年間

Photo by Alex Wong/Getty Images

Photo by Alex Wong/Getty Images

トランプ大統領と習近平国家主席が北京で会談中だ。だが、世界2大経済大国間の貿易摩擦は、国家間の構造的・経済合理的な対立というより、トランプ個人の対中姿勢に起因しているように見える。その兆候を探すなら、米国の大豆輸出を見ればよい。あるいは石油。あるいは乗用車だ。

advertisement

貿易戦争で落ち込む米国の対中輸出

確かに、米国勢調査局の最新データを分析したところ、米国の大豆輸出は2018年第1四半期から2026年にかけて9億8390万ドル(約1555億円。1ドル=158円換算)増加している。

しかし、話はそう単純ではない。

大豆輸出は、収穫期の終盤にあたる2018年第1四半期からは増加しているものの、ジョー・バイデンがホワイトハウスにいた3年前からは44.27%減少している。実際、第1四半期の大豆輸出が最も多かった上位4年間は、いずれもバイデン政権時代だった。バイデンはトランプの関税を引き下げていない。それでもこの結果なのである。

advertisement

トランプが2018年に中国との間で始めた貿易戦争に巻き込まれた米国の輸出品目の中で、中国向け大豆輸出の減少は大きな注目を集めてきた。その主な理由は、かつて大豆の大半がトランプが最初の選挙で勝利した州から中国に出荷されていたからだ。昨年、米国の中国向け大豆輸出は5カ月連続でゼロとなり、主に中西部の農家に前例のない打撃を与えた。その市場は今やブラジルにほぼ奪われている。

石油輸出が100%減でゼロに転落

しかし、大豆だけではない。今年は石油も「大豆と同じ扱い」を受けている。中国向け第1四半期輸出は100%減、つまりゼロとなり、22億7000万ドル(約3587億円)の減少となった。バイデン政権時代の2023年には、中国は米国の石油輸出先として第1位だった。

乗用車輸出が急減し第8位に転落

乗用車輸出も急減しており、貿易戦争開始前の2018年第1四半期から83.26%減少した。当時、中国はドイツに次ぐ第2位の市場だった。

同様のパターンで、これらの輸出はトランプ第1期の最後の2年間である2019年と2020年に急減した後、バイデン政権時代の2024年まで回復した。その4年間、中国は再びドイツに次ぐ第2位の乗用車輸出市場となった。2025年と2026年には、これらの輸出は再び減少した。今年、中国は第8位で、市場シェアは2.93%。2022年のピーク時の10.35%から低下している。

次ページ > 中国が米国貿易の首位から第3位に転落

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事