北米

2026.05.15 09:30

「AIデータセンターより原子力発電所の近くに住む方がまし」米世論調査

米バージニア州ストーンリッジの住宅地に建てられた米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のデータセンター。2024年7月17日撮影(Nathan Howard/Getty Images)

米バージニア州ストーンリッジの住宅地に建てられた米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のデータセンター。2024年7月17日撮影(Nathan Howard/Getty Images)

米調査会社ギャラップが13日に公表した最新の世論調査結果によると、人工知能(AI)データセンターが地元に建設されることに反対する米国人は71%に上った。

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一方、地元に原子力発電所が建設されることに反対すると答えた回答者は53%で、データセンターの建設に反対する割合が大きく上回った。なお、米国では人口の3分の1以上が、原子力発電所から80キロ圏内に居住または勤務している。

回答者の70%は、膨大なエネルギーと水を消費するデータセンターが地域の環境に与える影響を懸念していると答えた。回答者の4分の1近くは、生活の質や光熱費をはじめとする物価への影響に対する不安の声を上げた。その他の懸念事項としては、騒音、光害、大気汚染、水質汚濁のほか、倫理的問題、雇用の安定性、AI規制の不備など、AI全般に関する懸念が挙げられた。特に、女性や民主党支持層は共和党支持層よりデータセンターの建設に強く反対する傾向が見られた。

他方で、自宅近隣にデータセンターが建設されることに「強く賛成」と答えた割合はわずか7%にとどまり、「ある程度賛成」と答えたのは20%だった。これらの回答者は賛成の理由として、雇用の創出や税収の増加など、主に経済的な利益を挙げた。

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データセンターは、AIモデルの大規模な学習を可能にするために特別に設計された専用施設だ。AIが登場する以前は、データセンターの規模は1万平方メートル程度で、主にインターネット事業の運営やクラウドコンピューティングに利用されていた。ところが、膨大なエネルギーを消費するAIの台頭により、近年は数十ヘクタールに及ぶ巨大施設が建設されるようになった。

AI学習に必要な数十万個の画像処理装置(GPU)を収容するデータセンターでは、機器の稼働や冷却、保管にかかる電力需要が数十万世帯分に相当することもある。大規模データセンターが1日に消費する水の量は約1900万リットルに及び、人口1万~5万人の町が1日に使用する量に匹敵する。

データセンターの建設は特にテキサス州、バージニア州、ジョージア州で急速に進んでおり、OpenAIやオラクル、ソフトバンク、アマゾン、マイクロソフトといった企業が大規模な施設の建設を計画している。

米西部ネバダ州の電力会社NVエナジーは、地元シエラネバダ山脈にある人気観光地、タホ湖周辺の住民約5万人に対し、来年から電力供給を停止すると通知した。米誌フォーチュンによると、同社は電力を同州北部のデータセンターに向ける予定だという。同地域は全米で最も成長著しいデータセンター集積地とも言われ、グーグル、マイクロソフト、アップルが施設を建設済み、あるいは建設を計画している。住民は来年5月までに新たな電力会社を探す必要がある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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