米海軍は、建造中の原子力空母の引き渡しの遅れに今後も直面しそうだ。これは新しい問題ではないものの、解決の兆しも見えない。
米海軍の現役で最新の空母である「ジェラルド・R・フォード(CVN-78)」は、当初予定から2年半あまり遅れて引き渡された。2017年に就役してから9年たつが、この原子力空母は第5世代戦闘機のロッキード・マーティンF-35CライトニングIIを完全に運用するために、なお大規模な性能向上・改修を必要としている。
ジェラルド・R・フォード級空母の2番艦「ジョン・F・ケネディ(CVN-79)」の引き渡しも昨年、複数の重要な性能向上を施すため2025年7月から2027年3月へ延期された。米海軍は引き渡し後に改修するのでなく、引き渡し前にこの作業を済ませておくことにした。
米海軍にとって残念なことに、遅延は2代目ジョン・F・ケネディだけでは終わらない。
ジェラルド・R・フォード級空母の3番艦「エンタープライズ(CVN-80)」は当初、2028年3月に引き渡される予定だったが、2030年7月にずれ込むことが先に発表されていた。さらに5月8日、引き渡しは早くても2031年3月になることが明らかになった。3代目エンタープライズの8カ月というこの追加遅延は、ジョン・F・ケネディの1年8カ月という最新の遅れに比べればましだが、米海軍の超大型空母の建造遅延はこれまでも繰り返されてきた。
エンタープライズの場合、米海軍協会(USNI)のニュースサイト「USNIニュース」が伝えているように、現行のスケジュールでは建造に12年以上かかることになる。
遅延がさらに深刻になりそうなのがジェラルド・R・フォード級空母の4番艦「ドリス・ミラー(CVN-81)」だ。引き渡しは以前の計画よりも少なくとも2年遅れる見通しとなっている。米海軍はこうした連鎖的な遅滞に今後も見舞われるだろう。1隻の建造がずれ込めば、その影響は後続の艦にさらに大きく波及するからだ。
影響を受けているのは建造中の空母だけではない。ジョン・F・ケネディの引き渡し遅延を受けて、米海軍は現役で最古の原子力空母「ニミッツ(CVN-68)」の退役延期を余儀なくされた。フォード級に先行するニミッツ級空母のネームシップ(1番艦)であるニミッツは現在、西海岸のワシントン州ブレマートンにあるキトサップ海軍基地から東海岸のバージニア州ノーフォーク海軍基地への母港変更に向けて、南米を回る航行の最終段階にある。この間、数多くの親善寄港を行い、現地の要人らを迎え入れたほか、中南米の海洋パートナー諸国との共同演習にも参加している。



