ニミッツが再び展開任務を行う可能性は低いものの、公式には現役にとどまることになる。米国の法律で、米海軍は運用可能な空母を少なくとも11隻保持することが義務づけられているからだ。
米国で空母を建造している造船所は1カ所しかない
これらの遅延の原因は主に造船所不足にある。米海軍の原子力空母はすべて、米ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)のニューポートニューズ造船所(バージニア州ニューポートニューズ)で建造されている。
これは65年以上にわたって続いてきた体制だ。
ニューポートニューズ造船所以外で建造された最後の米空母は、キティホーク級の通常動力型空母「コンステレーション(CV-64)」までさかのぼる。同艦はニューヨーク市のブルックリン海軍工廠で建造され、1961年に就役した。
後続の空母である「エンタープライズ(2代目、CVN-65)」、「アメリカ(CV-66)」、「ジョン・F・ケネディ(初代、CV-67))」、ニミッツ級超大型空母10隻などはいずれも、ニューポートニューズ造船所で建造されている。
さらに、すべて原子力推進となっている現役の米空母が必ず受けなくてはいけない就役中燃料交換も、ニューポートニューズ造船所で行われている。米議会予算局(CBO)は以前、このオーバーホール作業も一手に引き受けていることが、同造船所での遅延を悪化させていると指摘していた。
ニューポートニューズ造船所での建造作業の現状は?
HIIのクリス・カスナー最高経営責任者(CEO)は5月5日、四半期決算の発表にあたって開いたアナリストら向け電話会見で、ニューポートニューズ造船所は引き続き「年内に予定されるCVN-79(ジョン・F・ケネディ)の受け入れ試験に向けた準備に注力しています」と語った。ジョン・F・ケネディはこの試験を終えて初めて米海軍に引き渡され、就役できるようになる。
続いて引き渡し後の海上公試に臨むことになるので、ジョン・F・ケネディが初任務展開を始めるまでにはさらに数年を要する可能性がある。
HIIは後続の空母2隻の建造が進捗している点も強調した。
「CVN-80エンタープライズは現在、順調に建造が進んでおり、第12乾ドックでのユニット組み上げ(船体構築)は50%を超えました。CVN-81(ドリス・ミラー)は年内の(本格的な建造開始となる)竜骨据え付けに向けて、引き続き各ユニットの鋼材加工や艤装(各種装備の取り付け)の工程が進められています」


