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2026.05.19 07:15

記憶力を最大化する呼吸のタイミング。英単語の暗記は息を吐く後半がもっとも効果的

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何かを暗記したいとき、また覚えたことを思い出したいときに、呼吸が大きく関係することがわかった。テスト勉強で暗記した内容を本番で即座に思い出すには、呼吸のタイミングが重要になる。

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兵庫医科大学、関西学院大学、自然科学研究機構からなる研究グループは、先行研究にて、何かを覚える段階での呼吸の仕方が、直接記憶力を強化させたり悪化させたりすることをマウスの脳研究で明らかにしたが、今回は、人間においても呼吸が記憶に影響を与えることを解明した。

研究グループは、被験者30人の協力で、記憶テストの実験(見本合わせ再認記憶課題)を行った。まず、40枚の画像を1秒間隔で見て覚えてもらう。その20秒後に、提示された40枚と別の40枚の画像をランダムに提示して、覚えた画像かどうかを判断してもらう。そのときの呼吸のタイミングと回答速度を計測した。この課題を、1人あたり10回実施してもらった。

その結果、息を吐く後半で記憶した画像を、息を吐く後半で見たときの反応がもっとも早いことがわかった。息を吐く後半に反応しても、覚えたのが息を吸うタイミングだった場合は、反応はずっと遅かった。つまり、覚えるときと答えるときの両方が、息を吐く後半のタイミングのときに、もっとも成績がよくなるということだ。

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見本合わせ再認記憶課題の記憶段階(a)での呼吸のタイミング(b)。
見本合わせ再認記憶課題の記憶段階(a)での呼吸のタイミング(b)。

息を吐き終わるころに覚えれば、息を吐き終えるタイミングですっと思い出せる。そのため、英単語を声を出して覚えることは、息を吐く後半に記憶することにつながり、効果が高く理に適っていると研究グループは話す。

この研究成果は、日常生活における物忘れ対策、スポーツのパフォーマンス、ダンスの振り付けなど、さまざまな分野への応用が期待される。今後は、学習時の呼吸のタイミングをうまく活用する方法の開発などを目指したいということだ。試験勉強では、呼吸を意識してみるといいだろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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