銀価格は米国時間5月11日、2月以来となる1日での大幅上昇となり、ピーク時には7%超上昇した。一部アナリストは、イラン紛争による下落があったものの、2026年前半に銀を過去最高値へ押し上げた数カ月にわたる上昇相場が再び戻ってくる可能性があると指摘している。
銀価格は、米東部時間午後2時30分時点で約7%上昇し、約86.60ドルとなった。ただし日中高値の86.80ドルからはわずかに下落した。
5月11日の価格上昇は、銀価格を1オンス当たり6ドル超押し上げ、ドルベースの上げ幅と上昇率の両面で、2月下旬以来の最大の急伸となった。
銀価格は5月11日に2カ月ぶり高値を付け、イラン紛争に起因する圧力の中で下落する前、3月中旬に90ドル近辺で推移して以来の高水準に接近した。
アナリストの見解は?
5月11日の上昇は主として、銀に対する投資家の楽観の高まりに支えられたと、ブルームバーグが報じた。TDセキュリティーズのアナリストの見解によると、ここ数週間は様子見していた投資家が5月11日に銀の買いを増やしたほか、価格の上昇トレンドが追随者の買いも呼び込んだという。
ほかのアナリストは、ドナルド・トランプ大統領が今週後半に中国を訪問することや、米国とイランの和平交渉が行き詰まっていることも要因として挙げている。
銀価格の史上最高値は戻ってくるか
銀価格は2025年から2026年初頭にかけて急騰し、120ドル超の過去最高値を付けた。国際的な緊張、連邦金利の引き下げ、関税、テクノロジー産業からの銀需要増などの要因に支えられたものだ。
BNPパリバ・フォルティスのチーフ・ストラテジー・オフィサー、フィリップ・ギゼルスは先週CNBCに対し、銀の上昇相場は戻ってくるとの見方を示していた。金銀いずれも「それほど遠くない将来、おそらく今年中に」新たな史上最高値に到達すると予測していると述べた。イラン紛争の期間を通じて、インフレが金利上昇を招くとの懸念から両貴金属の値動きはより不安定になったという。
紛争に関連する圧力を別にすれば、2025年に金と銀の価格急騰を招いた要因は「今もなお強く残っている」とした。「紛争の霧が晴れれば、投資家は金と銀の市場に戻ってくる」とギゼルスは語った。
ロイターのコモディティ・アナリスト、クリストファー・ロマノは>5月11日、銀の直近の値動きについて分析を公表し、数カ月にわたる変動の後で銀は「回復への道筋にある」と述べた。銀は下落トレンドを上抜け、「より高いレンジで足場を固めた」とした上で、「90ドルまで上昇し得るとの市場予想を高める」可能性があると述べた。
金は落ち着いた取引
金は5月11日、より落ち着いた取引となった。0.1%上昇し、1オンス当たり4736ドルへにとどまっている。フィリップ・ノバのアナリスト、プリヤンカ・サチデバはノートで、金は「地政学的な不安とインフレ懸念の高まりの間で、身動きが取れなくなっている」と指摘。世界市場全体で極端な変動が続く中でも、金は「方向感のない」状態にとどまる可能性があると示唆した。
イラン紛争下の金銀価格
金と銀は国際的な緊張が高まると価格が上昇しやすい「安全資産」と見なされているが、イラン紛争の期間を通じて金属価格は不安定に推移してきた。両貴金属は、紛争中に急騰した原油価格とは逆相関で推移した。紛争が始まる直前の最終取引日、銀は93ドル超で引け、金は5200ドル超で引けたが、2月下旬に米国とイスラエルがイランを攻撃すると、両貴金属は急落した。金と銀の価格は紛争中、和平合意が近いとの期待に反応して、上昇する場面が時折あった。



