AIブームがスマートフォンやゲームの価格を押し上げる理由

John Keeble/Getty Images

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任天堂のNintendo Switch 2からサムスンのGalaxyに至るまで、幅広いデジタル製品の価格が突如として高騰している。その主な要因は、急成長を遂げるAI業界にある。AIデータセンター向けのメモリー需要が爆発的に増加したことで、消費者向け製品に割り当てられる供給が深刻に逼迫しているためだ。

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任天堂によるNintendo Switch 2の価格変更は、主力ゲーム機の値上げの最新事例となった。同社は落胆する消費者に対し、米国におけるNintendo Switch 2の価格を9月から50ドル引き上げると発表した(編集注:日本では1万円の値上げ)。競合のソニーがPlayStationの本体価格を引き上げると発表したわずか数週間後のことである。

任天堂の値上げ発表では「市場環境」という言葉が曖昧に述べられていたが、同社は5月8日の決算発表において、2027年度の利益が減少するとの見通しを示している。その要因として「メモリーなど部品価格の上昇」などが挙げられた。

ロイターの報道によれば、メモリーの価格はここ数カ月で急騰しており、2026年第1四半期には2倍に跳ね上がった。AIデータセンターからの膨大な需要が、消費者向け製品への供給を制限している格好だ。

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半導体企業シノプシスのサシーン・ガジーCEOは、メモリー供給の多くが「AIインフラに直接向かっている一方で、他の多くの製品もメモリーを必要としている」と述べ、他業界が「飢餓状態」にあると指摘した。

ゲームニュースメディアのポリゴンは以前、主要なメモリーメーカーにとって、消費者向け製品のハードウェアを販売するよりも、AIデータセンターへ販売する方がはるかに高い収益を得られると報じている。

ガジーは、チップメーカーが製造能力の拡大に取り組んでいるとしつつも、増産分が不足を相殺するには最低でも2年を要する可能性があると示唆した。

主要ゲーム機3製品が値上げ

3つの主要ゲーム機(Nintendo Switch 2、PlayStation、Xbox)の価格はいずれも過去8カ月以内に引き上げられており、中でもSwitchとPlayStationはともに過去6週間以内に値上げが発表されたばかりだ。ソニーが実施した値上げでは、本体の各バージョンの価格が100ドルまたは150ドル引き上げられた。ドナルド・トランプ大統領による関税が以前サプライチェーンに圧力をかけたことも背景にあり、1年間で2度目の値上げとなった。

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翻訳=江津拓哉

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