値上げの波はコンピューター市場にも
コンピューター市場も同様に影響を受けており、マイクロソフトは4月、同社が展開するノートPCおよびタブレット製品であるSurfaceの大幅な値上げを発表した。Surface Proの13インチモデルの価格は現在1499ドルからとなっており、発売時の999ドルから500ドルも値上げされている。
また、アップルは5月初め、256GBのストレージを搭載した599ドルのデスクトップPC、Mac Miniの最廉価モデルを廃止し、799ドルの512GBモデルを新たなエントリーモデルとした。退任を控えたティム・クックCEOは4月の決算説明会で、「供給制限の大部分はいくつかのMac製品に及ぶ」と述べ、メモリーの供給不足に伴う「大幅な価格上昇」を警告していた。メタも同じく4月にVRヘッドセットのMeta Questを50ドルから100ドル値上げし、メモリーを念頭に「高性能なVRハードウェアの製造コストが著しく上昇した」と述べた。
不足状態は少なくとも2027年まで続くとの予想、さらに悪化する可能性も
この不足状態は少なくとも2027年まで続くと予想されているが、一部の予測では数年間に及ぶ可能性も指摘されている。サムスンの経営陣は4月の決算説明会で、メモリー供給危機が2027年にはさらに悪化する可能性を警告し、「2027年の需給ギャップは2026年よりもさらに拡大する見通しだ」と述べた。
半導体メーカーのSKハイニックスを傘下に持つSKグループのチェ・テウォン会長は3月、より深刻な警告を発し、メモリー不足が今後5年間続く可能性があることを示唆した。チェによれば、SKハイニックスのような半導体メーカーは製造能力の増強を急いでいるものの、それが需要を満たせるようになるには2030年までかかる可能性があるという。
AIインフラへの支出を一段と強化する大手テック企業
大手テック企業はここ数カ月、メモリー価格の上昇に苦慮しながらも、AIインフラへの支出を一段と強化すると発表している。メタのスーザン・リーCFOは4月の決算説明会で、同社が「将来のキャパシティに必要な部品を確保するためにサプライチェーン全体で契約を結ぶ」ことを含め、「インフラ需要を満たすために積極的に投資している」と述べた。また、ロイターは先週、一部の主要テック企業が供給を確保するため、SKハイニックスに対し、同社の生産ラインへの直接投資を提案していると報じている。同紙はこの動きを「世界のメモリー業界において前例のないもの」だと表現した。


