AI

2026.05.15 16:30

ユーザーの7割が女性、1日250万人・月間1億人が利用する「AIロマンタジー」サイト

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ボランティアによるモデレーション体制に、大きな反発

低コスト運営は、うまく回っている間は強みに見える。ゾルトコフスキはこれまで、Janitor AIを寄付で支えられる情熱的なプロジェクトのように運営し、費用を抑えてきた。だが、同サイトが巨大サービスへと成長するにつれ、大規模ソーシャルメディアの運営に伴う現実的な課題が浮かび上がっている。ポリシーの整備、ルールの執行、法的リスクへの対応、そして一貫したガバナンスという地道な作業だ。

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当然ながら、最も難しいのはモデレーションだ。大手AI企業がエロティックなロールプレイ市場を避けるのには理由がある。この分野は、法的責任につながりかねないリスクが至るところにあるからだ。ファンタジーは本質的に、禁じられたものへの欲望を含みやすい。そのため、創作表現と禁止コンテンツの境界はすぐに曖昧になり得る。子どもが関わる露骨な性的コンテンツが許されないのは当然だ。だが、同サイトはネクロフィリア(屍姦)や合意に基づくカニバリズム(食人)のような極端なテーマをどう扱うかも判断しなければならない。

その対応は容易ではなかった。2026年初め、ゾルトコフスキが有給の従業員や契約スタッフではなく、ボランティアにコンテンツのモデレーションを頼っていることをめぐり、コミュニティ内で大きな反発が起きた。

12万5000件の未処理通報を抱える体制への批判文書

1月には、あるモデレーターが辞任し、Janitor AIの仕組みを厳しく批判する文書を公表した。その人物は、未処理の通報が約12万5000件に上るにもかかわらず、2〜3人のボランティアが対応している同社のモデレーション体制を「見せかけ」だと主張した。安全ルールの適用に一貫性がなく、モデレーション用ツールも不十分だと指摘している。

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極端なコンテンツの投稿でボランティアモデレーターから利用禁止処分を受けた人気クリエイターでも、非公開で不満を訴えれば、Janitor AI創業チームがその処分を頻繁に取り消していたとも述べた。

この騒動は、ゾルトコフスキを特別視する空気に水を差した。Discord上で「shep」と呼ばれる彼は、それまでユーザーの間でカリスマ的な存在とされ、モデレーションの多くも自ら担ってきた。

Janitor AIはフォーブスに対し、元モデレーターの主張は事実ではないと説明し、同社はAIと人間による確認を組み合わせたモデレーションに多額の投資をしていると述べた。ただし、当時COOを務めていたスミスは、コミュニティに向けた謝罪文の中で、同社がモデレーションを専門的な体制にしていく必要があることを認めていた。「避けられない面もある。我々は本当に法的に不確実な領域で運営しており、どこに線を引くべきかを今も模索している」と彼は書いた。ゾルトコフスキもDiscordで同様の見方を示し、「一部の指摘は誤っている」としつつも、「苦情の多くが胸に刺さるのは、それが概ね事実だからだ」と述べた。同社はその後、ボランティアのモデレーターを使うのをやめている。

Janitor AIを主流のエンターテインメントに育てる

Janitor AIを本格的な事業に育てるには、規模の拡大と、このサイトを生んだ自由奔放でリバタリアン的な気風の維持を両立させる必要がある。現在、同サイトは無料で利用できるが、チームはフリーミアム型の有料プランをどのように導入するかを検討している。

画像管理の厳格化に反発したユーザー

1年前、ゾルトコフスキはコミュニティに向けて、画像管理を厳格化する必要がある理由を熱のこもった文章で説明した。サブスクリプションを支える決済処理業者に安心して取引してもらうには、プラットフォーム上の画像がポルノに分類されない状態にする必要があった。多くのユーザーはこれに強く反発した。

「我々にとってJanitorAIは単なるサイトではなく、このすばらしいコミュニティが成長し、多くの喜びと創造性をもたらしてくれた情熱を注ぐプロジェクトだ」と彼は書いた。「どうか、この局面を一緒に乗り越えてほしい。Janitorは我々全員の大切な子どものような存在で、我々はまだ手放すつもりはない」。

RobloxのR指定版のようなサービス

ゾルトコフスキは、Janitor AIをいずれ主流のエンターテインメントに育てられると見ている。彼が思い描くのは、ゲームサイトRobloxのR指定版のようなサービスだ。もし成功すれば、彼は、OpenAIのような業界大手が慎重すぎて手を出せなかった、新しい対話型メディアを築いた人物として記録される。

ただし、そこに至るまでの道のりはまだ長い。Janitor AIが大きくなるほど、ルールや管理体制を整え、責任ある運営に近づける必要がある。だが同時に、そもそもこのサイトの管理されすぎない自由さに魅力を感じて集まったユーザーを、遠ざけてはならない。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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