こうした防空強化措置が有効なのかはまた別の問題だ。5月4日にはウクライナのドローン1機がロシア側の防空網を突破し、クレムリンから6.5kmほどしか離れていない建物を直撃した。ロシア軍の地対空アセットは減少しているが、モスクワに対する攻撃が激化するにつれて、クレムリンの主の周囲にますます多く集められるようになると予想される。
ロシアに限らない問題
ミサイル枯渇に直面しているのはロシアだけではない。アナリストたちによると、米国もイランとの武力紛争で、イランの弾道ミサイル、そしてとくに安価なドローンに対して、持続不可能なペースで地対空ミサイルを消費した。生産増強が計画されているものの、短期的には問題を解決できそうになく、長期的にはコストが見合わないかもしれない。
この分野ではウクライナがかなり先を行っている。ウクライナも過去数年、ロシアと同様の問題を抱え、同様の解決策を講じてきた。同様の解決策というのは、米国から供与された旧式ミサイルである「ホーク」の配備や、空対空ミサイルなどを転用したフランケンSAMの製造・投入といったものだ。ウクライナは依然、ロシア軍の弾道ミサイルに対処する地対空ミサイルの不足に悩まされている。一方で、毎晩、多数飛来するシャヘド型ドローンの大半は、不足している迎撃ミサイルではなく、低コストの迎撃ドローンなどほかの手段で落とすようになっている。
ウクライナ側にやや遅れをとってるが、ロシア軍も迎撃ドローンを配備し始めている。ただ、ロシアのブロガーたちは、ロシアにはウクライナのように迅速・効果的に生産規模を拡大する能力が欠けているようだと不満を漏らしている。
5月9日の戦勝記念日に向けた準備期間中、モスクワは包囲された都市のような様相を呈した。各所にパーンツィリ防空塔が設けられ、広場などにはドローン対策の網が張られた。空港は閉鎖され、ドローンのナビゲーション(航法)に利用されるのを防ぐため携帯電話のデータ通信が遮断された。ウクライナのドローンはパレードを妨害するのか。あるいは防空が手薄になったほかの地域を攻撃するのか。いずれにせよ、パレードは終わってもドローンの脅威は続くだろうし、ミサイル枯渇は深刻化していきそうだ。
У Москві натягують сітки на червоній площі та стягують ППО. pic.twitter.com/WR0MixehEB
— Serhii Sternenko (@sternenko) May 3, 2026
ロマノフが伝えたようなミサイル補給の懇願は今後も続くだろうが、それがかなえられる見込みは薄い。


