「現在、実用配備されているロボットハンドは文字どおりゼロ」
数週間前、筆者はKyber Labsの共同創業者であるタイラー・ハボウスキーとヨナタン・ロビンスに会い、器用な操作を支えるハードウェアについてTechFirstのエピソードで話を聞いた。ハボウスキーはSpaceX出身である。ロビンスは医療機器と工業デザインの出身だ。彼らが作ったハンドも、筆者に共有されたデモ動画では本当に印象的な作業をこなしていた。そして、高性能なロボットハンドの価値について、Genesis AIと似た見方をしている。
「現在、日常的な作業に実用配備されているロボットハンドは、文字どおりゼロです」とハボウスキーは筆者に語った。「最高水準のハンドは何十万ドル(数千万円)もするうえ、しょっちゅう壊れます」。
痛烈な指摘である。ヒューマノイドロボットのメーカーが聞きたい話ではない。
もちろん、その投資家にとっても同じだ。
今は、ヒューマノイドロボット企業が数十億ドル(数千億円)規模の評価額で資金を調達し、Genesisが「最終形」を発表し、隔週のように新しいデモ動画が数百万回再生される時代である。そんな中で、SpaceX出身で、実際にこの種のハードウェアを作っているエンジニアが、現実の世界で実作業をこなしている器用なロボットハンドの導入台数は、実質的にゼロだと言っている。
デモで見せているものと、実際に配備されているものとの間にあるこの隔たりこそ、現在のロボティクスで最も重要な溝である。この溝が、ロボットが扱えるSKU、つまり商品や作業対象の範囲を制限し、標準化されていない用途でのロボットの有効性を制限している。耐久性のある解決策でこの問題を解消できれば、ヒューマノイドロボット、そして他の種類のロボットも、より高度な技能を要するさまざまな仕事の候補に一気に入ってくる。
ただし、この溝をどう埋めるかは、どの問題を解いていると考えるかによって大きく変わる。


