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2026.05.15 18:00

賢い人ほど「考え込んで動けなくなる」3つの心理的理由と対処法

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3. 賢い人は燃え尽きる前に退屈を感じる

多くの人は燃え尽き症候群(バーンアウト)について聞いたことがあるだろう。長期間にわたって過度な負担を強いられた結果生じる消耗状態のことだ。一方、その対極にある「ボアアウト」については、あまり耳にしたことがないかもしれない。これは過負荷ではなく、挑戦の欠如によって徐々にやる気が失われていく状態を指す。

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専門誌『Frontiers in Sociology』に2024年に掲載された研究では、卓越した数学の才能を持つ青少年の退屈感について調べた。その結果、知的刺激の不足と自律性の欠如が学習意欲の低下の主因であることが明らかになった。

この調査結果は研究対象者の表現によって特に印象的なものとなった。対象者は「疲れた」「圧倒された」といった言葉は使わなかった。退屈を「意味の欠如」と表現し、周囲の遅いペースに合わせて待たされる体験こそが自分のやる気を最も削ぐ要因の1つだと指摘した。

この傾向は成人後も消えない。専門誌『BMC Public Health』に2021年に掲載されたIQ130以上の優秀な労働者を対象とした研究では、仕事における刺激不足、つまり挑戦や自律性、意味の不足がやる気の喪失とウェルビーイングの低下の主要因であることが示された。

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特に注目すべきは、この傾向が上司に「態度が悪い」「志が低い」「怠けている」と誤解されることが多いことだ。才能ある労働者自身も何が問題なのかを明確に言い表せないことが多く、かつては自然と湧き出ていたエネルギーがもはや出てこなくなったことしか分からなかった。

その典型例を挙げよう。仕事上のスキルは高いものの、月曜の朝が憂鬱で、簡単なタスクさえ先延ばしにし、いくら休んでも解消されないような漠然とした説明のつかない重苦しさを感じている中堅のビジネスパーソンだ。働きすぎでもなければ、圧倒されているわけでもない。ただ、自分の能力に見合うタスクが与えられていないだけだ。そして、高い能力を持ちながら十分に活用されていない脳はやがて自分自身に反旗を翻すことになる。

心理学者ミハイ・チクセントミハイのフロー状態に関する研究はこの点において重要な示唆を与えてくれる。タスクの難易度が、そのタスクに取り組む際のスキルレベルに見合っているとき、やる気は最高潮に達する傾向があるという。賢い人にとっては、動機を維持するには、すでに習得した問題にただ一生懸命取り組むのではなく、往々にしてより複雑な問題を積極的に探求することが必要であるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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