暮らし

2026.05.15 18:00

賢い人ほど「考え込んで動けなくなる」3つの心理的理由と対処法

stock.adobe.com

2. 賢い人は外的報酬に依存しやすい

優秀な人に懸命に働く理由を尋ねると、自信に満ちた答えが返ってくる。情熱、目的、影響を与えたいという欲求などだ。しかしやる気についての研究は、往々にしてその背後に別の要因が潜んでおり、それがやる気全てを損なう可能性があることを示している。

advertisement

専門誌『Gifted Child Quarterly』に2025年に掲載された縦断研究では、IQ120以上の学生403人を追跡し、2つの不適応的な動機づけパターンが存在することが明らかになった。

その1つは研究者たちが「統制的動機づけ」と呼ぶ特徴を備えていた。これは純粋な興味からではなく、プレッシャーや失敗への恐れ、罪悪感、あるいは条件付きの承認欲求によって勉強や仕事に取り組むことを指す。この特徴を備えた学生は、自律的で内発的な動機に駆り立てられた同程度の知能を持つ学生に比べて、成績不振や不安、先延ばしの割合が著しく高いことがわかった。

問題は、このパターンがどのように形成されるかだ。賢い人は幼い頃から褒美や奨学金、賞賛、昇進といった形で知性を評価される。やがて微妙だが有害な依存が形成される。自分の仕事が価値あるものだと認めてもらうために外部からの合図を必要とすることに慣れてしまうのだ。その承認のサイクルが途絶え、締め切りも成績評価も業績評価も見通せない状況になるとやる気も同時に失われてしまう。

advertisement

学生時代は優秀な成績を収めていたものの、高給取りの仕事にどこか虚しさを感じている弁護士、あるいは体系化された課題ならあっという間にこなせるのに、自主的な仕事になると完全に立ち往生してしまう優秀な人を想像してみてほしい。これは性格上の欠点ではない。内発的な動機ではなく外部の評価を軸に構築された動機づけの仕組みの当然の帰結だ。

心理学において動機付けを理解するための最も確固たる枠組みの1つである自己決定理論では、持続的な意欲は自律性や有能感、そして個人的な意味から生まれるとされている。その原点に立ち返るには、「これで何が得られるか」ではなく「なぜこれが自分にとって本当に重要なのか」と自問することだ。他人の意見に左右されない答えが見つかるまで、この問いを自分に投げかけ続けなければならない。

次ページ > 賢い人は燃え尽きる前に退屈を感じる

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事