食&酒

2026.05.08 17:15

シングルモルトの最高峰を“樽づくり”から知る!「ザ・マッカラン」にロマンを感じる12のコト【前編】

©The Macallan

2.炎が上がるトースト! 風味を左右する樽づくりの始まり

さあ、いよいよ樽づくり……と思いきや、運ばれた木材はここでさらに1年ほどの月日をかけて自然乾燥される。

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「これは木の中の樹液(サップ)を乾燥させるためです。樹液を急激に乾燥させると粘着性のあるヤニが生じ、板が曲がってしまって樽に使えなくなります。自然に木が落ち着くための時間を与えることが大切なんです」

ここからようやく樽づくりに入るが、その工程は驚くほど長い。

適切なサイズにカットした木材は、研磨され、まずは組み上げられていく。レイジング・ザ・カスクと呼ばれるこの工程は、熟練の技が必要となる。

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樽を組み立てたところで、4時間もの間、ミストのようなシャワーを浴びせ、長い乾燥を経た木材に再び柔軟性を吹き込む。そして樽の内側をトーストするのだが、これもウイスキーの風味にも関係する重要な工程。

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そして樽を締め上げ、最後に蓋と底をつけるための溝を作ってはめ、フープをつけて磨き上げれば完成だ。

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「職人たちは長年培ってきた目で、木材に欠陥がないか、漏れや亀裂の原因になりそうなものがないかを常にチェックし、欠陥が見つかればすぐに修正を行います」

だが熟練の職人が4〜5年もの歳月をかけて作り上げた樽でも、ときに社内基準をクリアできないこともあるという。その樽は直ちに製樽工場へと送り返され、修正して、再度ザ・マッカランに送られる。完璧な樽はこのような長い年月を経て作られるのだ。

3.樽のシーズニングは、本場ヘレスのシェリー酒で

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でき上がった樽はスペイン南西部にあるシェリー酒の地、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ(以下、ヘレス)で、最終工程に入っていく。

シェリー酒を入れ、ボデガと呼ばれる熟成庫でシーズニング(味付け)が行われるのだ。このシェリー酒もザ・マッカラン用にビスポークされたもので、傘下のバルデスピノ社がその製造を行っている。

「シェリー酒の中でも最も質の高いぶどう”パロミノ種“を生産する畑、マチャヌードは、ヘレスで最も高い標高にあり、大西洋からの湿った涼しい風が吹き込むぶどう栽培に適した場所です」と語るのは、バルデスピノ社のグローバルアンバサダーを務めるイグナシオ・ロペスさんだ。

バルデスピノ社 グローバルアンバサダーのイグナシオ・ロペスさん ©The Macallan
バルデスピノ社 グローバルアンバサダーのイグナシオ・ロペスさん ©The Macallan

「シェリー酒を貯蔵する樽は、熟成段階ごとに体系的に管理されています。最も長く熟成されたワインを含む樽は地面に近い最下段に置かれ、『ソレラ』と呼ばれます。その上に、熟成の若い順に『第1クリアデラ』『第2クリアデラ』と層状に積み上げられていきます。

このソレラとクリアデラの仕組みは非常に重要です。異なる熟成年数のワインを段階的に移し替えながら、常に一貫した品質とスタイルを保つためです」(イグナシオさん、以下同)

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樽のシーズニングには、およそ1年半から2年の月日をかけている。基本的には自然の力に委ねながらも、定期的に状態を確認し、樽とワインが理想的に成熟しているかを見極める作業が行われる。

長い熟成とシーズニング期間を経てシェリー酒を取り出し、ようやくウイスキーの熟成に使うことができるのだ。

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林田順子=文

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