米家電大手ワールプールの株価は、現地時間5月7日の時間外取引で17年ぶりの安値に向かって急落した。同社が発表した四半期決算は市場予想を大幅に下回り、その要因として、イラン紛争による「リセッション級の業界不況」が挙げられている。
7日の時間外取引で、ワールプールの株価は21%安の約43ドルをつけ、2009年以来の日中安値を記録する見通しだ。
ファクトセットのデータによると、ワールプールが7日に発表した第1四半期決算は、売上高が32億ドル(約4992億円。1ドル=156円換算)、1株あたり純損益は0.56ドルの赤字だった。これは、市場予想の売上高34億ドル(約5304億円)、1株あたり純損益0.38ドルの黒字をいずれも下回る結果となった。
これを受けて同社は、通期の1株あたり利益の見通しを従来予想の約6ドルから3ドル~3.50ドルへと下方修正した。
同社は、イラン紛争が米国で「リセッション級の業界不況」を招いたと説明し、2月下旬から3月にかけて消費者信頼感指数が過去最低を記録したことに言及した。マーク・ビッツーCEOは、マクロ経済環境が急速に悪化する中で、「価格設定とコストの問題に対処するため、断固とした行動をとった」と述べている。
ワールプールによれば、北米で少なくとも10%の値上げを実施し、コスト削減の取り組みを強化したことで、収益性は回復したという。なお、北米部門の売上高は前年同期比で7.8%減少した。
一方で、トランプ政権がイランとの停戦交渉を進め、政府統計が経済の底堅さを示したことで、今年のリセッション発生を予想する賭けの確率は先週、過去最低にまで低下した。株式市場も4月に過去数年来で最高の上昇幅を記録している。ダウ平均株価は同月に7.1%上昇し、月間の上昇率としては2024年11月以来で最高を記録した。S&P500も10.4%上昇して2020年11月以来の記録を更新し、ナスダックは15.3%高と2020年4月以来で最高をそれぞれ記録した。
しかし、ミシガン大学が公表した消費者態度指数は、4月に過去最低を記録し、3月の低水準からさらに落ち込んだ。発表によれば、イラン紛争が消費者物価や個人の家計を混乱させるとの懸念が急速に強まっており、調査の参加者は今後1年間で物価が4.8%上昇すると予想していた。物価高や資産価値の低下に対する懸念が「大幅に」高まり、一部の消費者が経済の「好ましくない変化」の原因としてイラン紛争を非難したことで、家計状況に対する評価は11%急落した。足元ではインフレ率がほぼ1ポイント上昇しているものの、停戦交渉が継続される中で、経済状況はおおむね回復の兆しを見せている。



