FRB議長の交代で変わる金融政策レジーム
だからといって、投資家が無謀にリターンを追いかけたり、流動性を完全に捨てたりすべきだという意味ではない。現金は引き続き極めて重要だ。特に、政治的不確実性、地政学的緊張、インフレリスク、そして中央銀行政策の変化によって規定される環境ではなおさらである。だが現金の役割は今、長期目標、インフレ、税金、機会コストという広い文脈の中で、より慎重な分析を必要としている。
今後数年でFRB議長が交代すれば、見通しはさらに複雑になり得る。金融政策レジームは重要だ。FRBのリーダーが変われば、インフレ抑制、労働市場、金融安定、コミュニケーションのスタイルに置く比重も異なる。トーンのわずかな変化でさえ、投資家行動や資金フローに実質的な影響を与え得る。
したがって投資家は、金利や市場の将来経路について固定的な前提を置くことを避けるべきである。
資本配分の基本原則と、投資家に問われる判断力
むしろ今は、資本配分の基本原則に立ち返る局面だ。現金ポジションの目的は何か。安全性、流動性、将来の機会、長期の資産形成のためなのか。本当に必要な流動性はどれほどか。そしておそらく最も重要なのは、イノベーション、生産性、収益成長が加速し続ける場合、投資不足の状態を続けることの機会コストは何かという点である。
数年ぶりに、現金は受動的なデフォルトではなく、能動的な意思決定になりつつある。
努力不要の利回りの時代は薄れつつある。それに代わるものには、より価値のあるものが求められる。判断力である。


