超加工食品は、かねてより肥満をはじめとする慢性疾患との関連が指摘されており、多くの健康啓発運動では、こうした食品の摂取を控えめにするよう呼びかけられてきた。新たな研究では、超加工食品が幼い子どもたちの行動にも悪影響を及ぼしている可能性が示された。
医学誌「米医師会紀要(JAMA)」に掲載されたカナダ・トロント大学の論文によると、超加工食品を摂取する幼児は、就学年齢に達するまでに問題行動を示す可能性が高くなることが分かった。
論文の筆頭著者であるトロント大学医学部のコゼタ・ミリク准教授は「就学前期は子どもの発達にとって極めて重要な時期であり、同時に食習慣が形成され始める時期でもある」と指摘。「私自身も幼い子どもを持つ親として、子どもたちの食事に加工食品がどれほど頻繁に登場するか、そして時には健康的な環境だと考えられている場所でさえ、加工食品が使われていることに気づき始めた」と述べた。
研究では、2000人以上のカナダの子どもたちのデータを用いて、3歳の時点で超加工食品を多く摂取していた幼児は、5歳で就学する頃には不安や攻撃性、多動、恐怖心といった行動を示す傾向が強いことを明らかにした。
超加工食品とは一般的に、人工香料や着色料、保存料、安定剤、乳化剤など、新鮮な家庭料理には含まれない成分を含む、工業的に生産された食品を指す。代表的な超加工食品には、炭酸飲料、ポテトチップス、インスタントラーメン、ビスケット、フレーバーヨーグルト、あめ、特定の種類のパンなどがある。
この研究では、超加工食品が幼児の行動上の問題を引き起こしたと断定することはできないものの、その知見は重要だ。研究では、超加工食品の摂取量がわずかに増加しただけでも、行動に測定可能な変化が見られることが示された。砂糖と人工甘味料の両方を含む飲料など、一部の食品は行動上の問題との相関が特に強かった。
米疾病対策センター(CDC)の昨年の報告書によると、米国では1~5歳児の摂取カロリーの56.1%を超加工食品が占めていた。報告書では、全年齢層で最も一般的な超加工食品として、サンドイッチやハンバーガー、ビスケット、ケーキ、ポテトチップス、炭酸飲料などが挙げられている。
ミリク准教授は「親たちは精一杯努力しているが、すべての家庭が単一食材の食品を入手できるとは限らず、また、それらを家族の食生活に取り入れるための道具や時間を十分に確保できるわけでもない」と語る。同准教授は「超加工食品はどこでも手に入り、手頃な価格で便利だ」とした上で、可能な限り加工度の低い食品を徐々に増やしていく方法を検討することが重要だと述べた。
今回の研究では、超加工食品のわずか10%を果物や野菜、全粒穀物などの加工度の低い食品に置き換えるだけで、幼児の情緒面や行動面で改善が見られた。ミリク准教授は、幼児期に果物や野菜などの加工を最小限に抑えた食品を少しでも取り入れることで、より健全な情緒面や行動面の発達が促される可能性があると説明した。
研究では、超加工食品が行動上の問題を引き起こす理由を完全には解明してないが、不適切な食生活が慢性炎症と関連しており、それがさまざまな病気の発症率を高めているとの説もある。他の研究では、腸内細菌叢、つまり腸内に生息し、体内のさまざまな部位や機能に影響を与える多様な微生物群に焦点が当てられている。
ミリク准教授は、今回の研究結果は、保護者や養育者への専門的な助言をはじめ、公衆衛生運動、保育施設向けの栄養基準、一部の加工食品の成分見直しといった、乳幼児期からの介入の必要性を強調していると述べた。



