ナディミはアルビル攻撃の可能性について、イラン西部のタブリーズ空軍基地が破壊される前に「タブリーズから発進したF-5がおそらくスタンドオフ兵器を用いて、アルビルのイラン系クルド人グループを爆撃した可能性は十分にある」との見解を示した。
イラン空軍によるアルビル攻撃が特筆に値するのは、今回の衝突が起こる以前にもイラン政府は2018年9月からクルド人自治区のイラン系グループを攻撃し、2022年3月と24年1月にはアルビル市内の著名な実業家の私邸を標的にしたが、これらの攻撃には一貫して弾道ミサイルやドローンが使用されてきたからだ。
1994年11月にイラン空軍の戦闘機(おそらくF-4かF-5)がアルビル県コヤでイラン系クルド人組織を爆撃して以降、アルビルへの攻撃で戦闘機が使用された事例は確認されていない。イ・イ戦争中には当然ながらイラン空軍がイラクのクルド人自治区を攻撃しており、サダム・フセイン率いるイラクは1987年2月にアルビルを空襲したイラン軍のF-5を撃墜したと主張していた。
イラン空軍、再建は困難か
今回の紛争中に数回の攻撃出撃を行ったイラン空軍だが、能力や装備の面ではかつての面影をすっかり失っている。開戦前の数年間にわたり、イラン政府はロシア製のスホイSu-35(NATOコードネーム:フランカー)を導入し、空軍の近代化を図ろうとしていた。これは、旧ソ連のミコヤン設計局が開発した第4世代戦闘機ミグMiG-29A(NATOコードネーム:フルクラム)をソ連崩壊直前に調達して以来、最大規模の戦闘機発注だった。
「現在のイラン空軍は悲惨な状態にある」とナディミ。「イランはロシアに対してSu-35の納入を強く迫るかもしれないが、それが実現する前に、基地インフラの修復と再建が必要になるだろう」と述べ、こう結んだ。
「現時点では、空軍を再建する資金はないと思う」


