とはいえ、これらの空爆が直接的・間接的にいくらかの損害をもたらしたことは間違いない。ナディミは、クウェート領空にイランの戦闘機が存在したことが、3月1日にクウェート軍のF/A-18戦闘機が米空軍のF-15E戦闘機3機を友軍誤射で撃墜するに至った「一連の出来事の一因となった」可能性を否定していない。
F-5によるキャンプ・ビューリング攻撃と異なり、スホイ24のカタール攻撃は失敗に終わったものの、開戦初期の段階で米CNNが報じていた。一方、米首都ワシントンに拠点を置く親ユダヤ系非営利団体・中東報道研究機関(MEMRI)の報告書はこの一件の信憑性そのものに疑問を呈し、「報道された事件は明らかに起こらなかったとあらゆる証拠が示している」と指摘している。
ただし、ナディミはこの攻撃未遂が捏造されたものだとは考えていない。「カタールの潜水士が海底で少なくとも1機のイラン製スホイ24の残骸を発見した」と指摘し、標的が何だったかは不明だとしつつ、米軍が駐留するアル・ウデイド空軍基地だった可能性が高いとみている。CNNの報道によれば、スホイ24はカタールのF-15に撃墜される直前、アル・ウデイド攻撃まで残りわずか2分のところまで迫っていたという。
興味深い「アルビル攻撃」
イラン陸軍報道官のモハンマド・アクラミニア准将は4月28日、カタールへの攻撃を試みたことを認めた。それだけでなく、イラン空軍がイラク北部クルド人自治区の首都アルビルにも攻撃を行ったと明らかにした。
イラン国営プレスTVの報道によると、アクラミニアは「わが空軍は開戦初期に複数回の出撃を行い、近隣諸国にある敵基地を攻撃した。これにはイラクのアルビル、クウェート、カタールにある反革命派の拠点も含まれる」と述べた。また、クウェート攻撃に関するNBCの報道に言及し、イラン空軍が「米軍の構築した多層的な防衛網を突破し、米軍基地を攻撃することに成功した」と誇示した。
イラン空軍がアルビルを攻撃したとの話は、注目に値する。アルビルは国際空港の敷地内に米軍が駐留しており、これを防衛する地上配備型防空システムによって都市全体がドローンの群れやミサイルから守られている。4月8日の米・イラン停戦後も、イランはクルド人自治区を拠点とするイラン系クルド人反体制派グループに対するドローン攻撃を続けており、米国主導の有志連合軍の戦闘機が自治区上空で積極的な迎撃を行っている。


