米BOSE(ボーズ)は1964年の創立以来、独自の音響研究を背景に、家庭における音楽リスニング体験に新しい発想を持ち込んできたオーディオブランドだ。代表例には、直接音だけでなく反射音を重視する独自技術「Direct/Reflecting」に基づくスピーカーシステムがある。
ボーズが原点のホームオーディオを再び強化する理由
その後もボーズはノイズキャンセリングヘッドホン、ホームシアター、ワイヤレスオーディオなど、時代ごとにリスニング体験を広げる製品を数多く生み出してきた。
そのボーズはいま、大きな転換期を迎えている。近年はワイヤレスヘッドホンや完全ワイヤレスイヤホンに代表されるポータブルオーディオ製品に注力してきたが、今年はブランドの原点ともいえるホームオーディオカテゴリーの刷新へと舵を切る。
プレミアムコンシューマーオーディオ部門の社長であるラザ・ハイダー氏は、2022年にボーズへ入社する以前には、デル・テクノロジーズで製品開発部門を率い、直近ではグローバルのコンシューマーPCおよびクライアント周辺機器事業を統括してきた。ITテクノロジーに精通するエキスパートだ。さらに、マッキンゼー・アンド・カンパニーではデザイン思考、製品開発、オペレーション領域のコンサルティングにも携わってきた。
オーディオ業界の内側から歩んできた人物ではなく、IT領域の事業と製品の開発、ならびに組織変革を横断してきたリーダーである点が興味深い。そのハイダー氏が、米国を代表する老舗オーディオブランドであるボーズの変革を、これからどのようにリードするのだろうか。米国ニューヨークで開催された新製品ローンチイベントにおいて、ハイダー氏にインタビューを行った。
9年ぶりに復活した「Lifestyleコレクション」
ボーズは4月末に米国のニューヨークで、世界各地域からジャーナリストを招いて新製品のグローバル・ローンチ・イベントを開催した。
発表された製品はホームオーディオ「Lifestyle コレクション」の3製品。すべて5月15日に、日本でも販売を開始する。
ボーズがLifestyleというシリーズネームを冠するホームオーディオを発売したのは、市場投入のタイミングで見れば、ホームシアターシステムの「Lifestyle 650/600」を展開した2017年以来になる。今回は新しいLifestyleコレクションとして、本格的な刷新を迎えた。
コレクションの核となる「Bose Lifestyle Ultra Speaker」(税込5万5000円)は、ダイレクトリフレクティング技術の進化形を採用。前面と上向きに配置された計3基のドライバーが音を壁や天井に反射させ、コンパクトなスピーカー単体で立体的な音場をつくり出せる。



