「最も困難だったのは、サウンドクオリティを妥協することなく、一般のリビングルームやベッドルームといった住空間に自然に溶け込むデザインを両立させることでした。例えば、Ultra Speakerは本体前面に配置したグリル、つまりユニットを保護するカバーに、従来の金属やプラスチックではなく、インテリアになじみやすいファブリック素材を採用しています。しかし一般に、ファブリックは音を吸収し、サウンドの特性を変化させることがあります。この物理的な制約を乗り越えながら、ボーズの厳しい基準にかなう高品位なサウンドを実現することは、技術チームにとって大きな挑戦でした」
Ultra Speakerは、単体でステレオ再生や立体音響再生を楽しめるほか、アマゾンが生成AIベースの音声アシスタント「Amazon Alexa+」を提供する地域では、この機能も利用できる。
なおボーズによると、5月15日に発売されるUltra SpeakerとUltra Soundbarは、アマゾン以外のサードパーティ製ホームオーディオとして、いち早くAlexa+を統合した製品になるという。
「私たちは、ボーズの製品を所有することが、若い世代にとってもクールでエキサイティングな体験になることを目指しています。例えば日本では、5万5000円で販売するスピーカーをラインナップに加えました。若い方々にも本機を手に取っていただき、1台で様々なエンターテインメントを楽しんでもらうためです。さらに本機は、2台目を追加してステレオペアとして使ったり、サウンドバーを追加してホームシアターを構築したりすることもできます。Lifestyleコレクションへのエントリーポイントを用意することも、私たちにとって重要な戦略のひとつです」
プレミアム戦略とライセンシング事業、それぞれの狙い
2024年11月にボーズはラグジュアリーオーディオのブランドを扱う米McIntosh Groupを買収し、業界を驚かせた。戦略の背景にある狙いを、ハイダー氏は次のように説明する。
「私たちボーズには、世界中のすべての人々に優れたサウンド体験を提供するという信念があります。ボーズのDNAに呼応し、情熱を共有できるブランドであれば、いっしょに組むことは有効な手段であると考えます」
McIntosh Groupの傘下にある米マッキントッシュ、イタリアのソナス・ファベールはそれぞれ、オーディオファンの垂涎の的となっている数々の高級コンポーネントを展開している。ボーズのDNAと共鳴するブランドとシナジーを生み出すことは、オーディオ市場におけるボーズのプレゼンスを確固たるものにする効果ももたらすだろう。


