人工知能(AI)はリーダーの動きを速めている。同時に、リーダーの質を落としてもいる。
AIは生産性を高め、コストを削減し、資源を節約している。週4日勤務の実現さえ後押ししている。しかし、AIを行き過ぎた形で使えば、組織内の信頼が壊れる原因にもなる。
2025年のギャラップの報告によると、従業員はこれまでになく強く職場との断絶を感じている。同報告は、米国の従業員の69%が職場とのつながりを感じられない、あるいは仕事への意欲を失っていると指摘した。これは2014年以来、最も高い水準である。
それにはもっともな理由がある。
・管理職やリーダーがAIで作った低品質な文章やメッセージ、いわゆるAIスロップを大量に送り出しているため、従業員はリーダーシップやそのコミュニケーションを信頼していない。複数の調査がそう示している
・働く人々はまた、常に不安にさらされている。自分と同等、あるいは自分以上に有能なAIエージェントに、仕事を奪われるのではないかと恐れているからである
・2026年の最初の数カ月だけで、テクノロジー業界では7万人以上が解雇された。この数字は、今年が進むにつれてさらに増える見通しである
AIは生産性を高めるが、イノベーションを壊す
こうした解雇の多くはAIに関連している。そこで、次の問いが浮かぶ。
AIが信頼の土台そのものを脅かしているとき、リーダーはどうすれば安心感と信頼のある環境を作れるのか。
結局のところ、信頼がなければ従業員エンゲージメントは急落する。AI導入や、将来に備えた組織づくりの取り組みも、かえって逆効果になる。
そこで筆者は、Performance ConsultantsのCEOであり、書籍『Coaching for Performance』の共著者であるティファニー・ガスケルに話を聞いた。AI時代において、リーダーが従業員とのつながりをかつてないほど強く保つために何ができるのかを理解するためである。



