リーダーシップ

2026.05.11 12:00

AI時代、69%の従業員が仕事への意欲やつながりを失っている理由──リーダーに求められる実践とは?

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心理的安全性は、人が力を発揮するために依然として不可欠

筆者は彼女にこう尋ねた。

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「多くのリーダーがAIを使ってより速く仕事をし、より速く動こうとしています。誰もがもっと効率的になりたいと考えています。そのスピードの中で、自己認識や説明責任といった、より深い取り組みが犠牲になるリスクはありませんか?」。

ガスケルは「心理的安全性は、人が力を発揮するために依然として不可欠な環境です」と答えた。

彼女は、企業が効率とパフォーマンスの向上を目指す中で、人間によるコーチングの補完としてではなく、その代替としてAIコーチングツールを導入しようとしている事例を指摘した。

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「結局のところ、どちらに転ぶかはリーダーシップ次第、リーダーの意図次第です。一方では、自分が出席していない会議のメモをAIに書かせて送っているリーダーがいます。人事評価や育成プランを作っている──少なくとも育成プランのように見えるものを作っている──のに、当の本人のモチベーションにはまったく耳を傾けていないというケースです」と彼女は振り返った。

「今まさにリーダーシップにおいてコーチングスキルが非常に重要になっているのは、その適応力、自己認識のためです」とガスケルは語った。「リーダーには軸を持つことが求められます」。

「つまり一方には、AIによる指標で生産性向上を追い求めている組織があります。こうした組織は効率性の競争には勝っています。しかし、イノベーションの競争には負けているのです」と彼女は警告した。

「こうした組織がイノベーションの競争に負けているのは、創造性が生まれるには心理的安全性が不可欠なのに、それが欠けているからです。やがてこうした企業もそのことに気づくでしょう」。

「一方で、AIに任せられるタスクを見極めている、もっと思慮深い組織もあります。そうした組織はAIの力を活用して、人がより多くのことを成し遂げられるようにしています。つまり人材が戦略や変革の領域に踏み出し、リーダーは日常業務に埋没するのではなく、事業そのものに取り組めるよう人材を後押ししているのです。それこそがAI活用の本来の目的です」。

2026年、リーダーとしてAIをどう導入すべきか

実践においては、次のような取り組みが求められる。

・AIから得られる知見を活用して、人を導く力を高め、従業員が本当に必要としているものを理解すること
・AIをてこにして管理業務や雑務を削減し、チームのコーチングや従業員体験・能力開発への投資に時間を振り向けること
・AIツールを活用して、実践的なスキルアップのためのコーチングを従業員に提供すること
・成長の文化を醸成し、リスクを受け入れ、適切な問いを投げかけることで、チームメンバーがAIを業務に取り入れて実験し、イノベーションを起こせる環境を整えること

あなたはどちらのタイプのリーダーになるのか?

従業員が飛躍的な成長、生産性、自己認識の時代に踏み出し、最高の力を発揮できるよう後押しするリーダーか。

それとも、見栄えのよい数字のためだけに、短期的なAI効果を追い求めるリーダーなのか。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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