世界有数の産油国であるアラブ首長国連邦(UAE)は1日、石油輸出国機構(OPEC)から脱退した。これにより、UAEがサウジアラビア主導のOPECに加盟して以来、60年近くにわたる歴史に幕が下ろされた。UAEは同機構で重要な役割を果たしてきた。
OPECは原油価格に影響を与えるため、生産量の増減を調整することで知られる。これまでも、同機構から加盟国が脱退することは確かにあったが、UAEの離脱はOPECにとって大きな打撃であると同時に、国際石油市場にとっても極めて重大な転換点となる。
OPECの統計によると、UAEの原油生産量は日量292万バレルに上る。生産量ではサウジアラビア、イラク、イランに次ぐ第4位だが、UAEはOPEC加盟国の中でも、増産するための十分な余剰生産能力を有する数少ない国の1つだった。
OPECからの脱却
余剰生産能力を活用すれば、UAEは日量最大400万バレルの石油を生産できるとみられている。同国は2020年代末までに生産量を日量500万バレルまで引き上げる意向を示している。
OPECの加盟国であり、ロシアなど非加盟の産油国から成る「OPECプラス」の一員でもあることは、UAEの発展を阻害していると見なされていた。OPECからの脱退により、こうした制約から解放されれば、現在、米国とイランの対立やペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡の混乱によって供給が逼迫(ひっぱく)している石油市場に、UAE産の原油が追加的に流入する可能性が高い。
UAEのスハイル・ビン・ムハンマド・マズルーイ・エネルギー相は、X(旧ツイッター)に次のように投稿した。「OPECからの脱退という決定は、長期的な市場の基礎的条件に沿った、政策主導の進化を反映したものだ。OPECと加盟各国に対し、長年にわたる建設的な協力に感謝する。わが国はエネルギー安全保障への取り組みを継続し、安定した国際市場を支えながら、信頼性が高く、責任ある、低炭素なエネルギー供給を実現していく」
もし米国とイランの戦闘が終結し、中東情勢が正常化すれば、こうした変化と市場の基礎的条件により、数十年以内に主要市場の石油需要は頭打ちになる可能性があるとみる専門家もいる。そうなれば、産油国は利益率を競うことになるだろう。UAEの生産コストは世界最低水準で、同国は伝統的なエネルギー産業からの脱却に向けた経済の多角化で、周辺諸国より有利な立場にあるように見える。UAEはOPECから脱退したことで、ブラジル、カナダ、ガイアナ、ノルウェー、米国といった非OPEC産油国への仲間入りを果たすことになる。



