北米

2026.05.02 07:00

米軍が新たな迎撃ドローン「バンブルビーV2」を導入 陸軍の精鋭師団が訓練開始

米陸軍のバンブルビーV2迎撃ドローン(無人機)が離陸する様子。2026年4月22日、ノースカロライナ州フォートブラッグ(Army Staff Sgt. Cory Reese)

米陸軍のバンブルビーV2迎撃ドローン(無人機)が離陸する様子。2026年4月22日、ノースカロライナ州フォートブラッグ(Army Staff Sgt. Cory Reese)

米陸軍の名高い精鋭部隊、第82空挺師団に所属する空挺兵たちは、新たに導入されたドローン(無人機)迎撃システム「バンブルビーV2」を運用する初の訓練演習を行った。米国防総省が4月29日に発表した

advertisement

第82空挺師団が所在する米東部ノースカロライナ州フォートブラッグで、空挺兵20人がこの迎撃ドローンを使って敵のドローンを追尾・撃破する訓練を受けた。兵士たちは、この自律型システムを発進させる前にデータや信号を解釈する方法についても学んだ。

国防総省第401統合省庁横断タスクフォースの最先任下士官、ケレン・ローリー陸軍曹長は「どの兵士も実弾を扱う前にライフル射撃の基礎訓練を受けるように、兵士たちが空対空迎撃機を作戦で使用するのに先立って、UAS(無人航空機)の運用やパッシブ(受動的)対抗手段の使用の基礎をしっかり習得できるようにしたいと考えています」と発表文で述べている。

自己完結型の“ハンターキラー”

バンブルビーV2は、4つのローター(回転翼)と広角・狭角両方の視野に対応したカメラを備えたFPV(一人称視点)ドローンだ。外見はほかのシンプルなFPVクワッドコプターと似ているものの、中身は大きく異なる。

advertisement

バンブルビーV2は自己完結・自己推進型の“ハンターキラー”システムだ。比較的高度な自律性とAI(人工知能)による目標捕捉ソフトウェアを備え、敵のドローンを自動で認識して追尾し、攻撃できる。飛行開始後は操縦士による直接の制御を必要としない。

「自動の目標認識機能により、このドローンは敵のドローンを自律的にロックオンし、戦闘に入ることができます。そのため、兵士側は状況認識や戦術に集中できます」(ローリー)

目標を捕捉すると、バンブルビーは急降下してそのドローンに体当りし、撃墜する。対ドローン戦の分野では、こうした攻撃は運動エネルギーによる打撃、いわゆる「ハードキル」に分類される。これに対して、外部からの物理的な打撃を伴わずにドローンを墜落させる手法は「ソフトキル」と呼ばれる。

新時代の訓練の幕開け

ほかのハードキル手法と異なり、バンブルビーはそれ自体が弾薬として機能する。そのため、弾丸を発射したり高エネルギービームを照射したりする場合にともなうような、付随被害リスクを最小限に抑えられる。

バンブルビーV2の実戦配備は急ピッチで進められている。このシステムは、今年1月に第401タスクフォースが米ペレニアル・オートノミー社との520万ドル(約8億1000万円)の契約を通じて取得し、2月に納入が始まり、3月には陸軍のグローバル即応部隊が評価に着手した。

ほかのUASシステムや運動エネルギーによる迎撃手段と並んでバンブルビーV2は米軍の標準的な装備になると見込まれる。第82空挺師団によるこのシステムを用いた演習は、軍事訓練の新たな時代の幕開けを告げるものと言っていいだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事