2026.06.04 15:15

やっぱり自動車は自転車を追い越せない? 「警察庁に質問書を送ったら」その後

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以下、サイクルライフプラットフォーム SHIFTAよりの転載で紹介する(文=岩田淳雄)。

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2025年12月15日にSHIFTAで公開した記事、「道交法一部改正 もう自動車は自転車を追い越せない!? 驚愕の新事実発覚!」。

この記事公開後、警察庁から私あてに電話がかかってきた。「先日お答えした取材依頼書(質問書)に対する回答に間違いがあった」というものだった。ええっ!? どういうこと? この記事は、その顛末と、新たにわいてきた疑問を解決するためのものになる。ぜひ前記事を読んでからこの記事を読んでいただきたい。

12月15日公開記事では、自動車による自転車の追い越し時の側方間隔をテーマにした。「自動車と自転車との間に十分な間隔がないときは、自動車はその間隔に応じた安全な速度で進行しなければならない」という内容の法律(道交法18条3)が2026年4月の道路交通法一部改正で追加される。だけどここで言う「十分な間隔」ってどのくらいなんだ? 結果的に黄色実線中央線(はみ出し禁止を示す黄色センターライン)の道路では、自転車との十分な間隔が確保できず、延々と自動車は自転車を追い越せなくなるのでは?

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さっそく警察庁に質問書を送った。

「走行中の自転車を追い越すために車両(自動車)が黄色実線の中央線をはみ出すのは道交法違反になってしまうのでしょうか? 低速走行により渋滞を招くなど通行に支障が出る場合や、安全確保を優先するためには 『やむをえない場合』として黄色中央線を越えてもいいのではないでしょうか」

すると返って来た答えは驚きの内容だった。

「お尋ねについては、道路交通法(昭和35年法律第105号)第30条に規定された「道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分」における、前方を走行する自転車の追越し可否に関する質問と思われますが、同条の規定は車両が追い越してはならない他の車両から特定小型原動機付自転車及び自転車を除外しているため、走行中の自転車を追い越すために車両(自動車)が黄色実線の中央線をはみ出すことは禁止されていません。」

なんと、自動車が自転車を追い越す場合は、黄色のセンターラインをはみ出してもいいんですよと。いやビックリした、みんな知ってた? これでこれから安全に自動車に追い越してもらえるかも。ビバ道交法第30条!

という記事だった。

やった! これで安全に追い越してもらえる!……と思ったが。

すいません、やっぱりダメです

今回のお話はここから。

警察庁の方は「大変申し訳ありません、こちらで行き違いがあったようで、結果として間違った回答を送ってしまいました。改めて回答をお送りしますので」と言って大変恐縮していた。どうも記事を読んだ読者から警察庁に「コレってホント?」と問い合わせがあったようで、警察庁も記事を確認して「あれっ?」となったようだ。

「行き違い」という説明だったが、まあ警察も組織だし人間なんだからミスもあるよね。それはしょうがないとしよう。なんだけど記事は掲載しちゃったし、でもそれって内容間違ってるし、どうするどうする?とSHIFTAの編集担当者と相談して、記事の冒頭に目立つように「お断り」を掲載した。

「この記事の公開後、記事結論のもととなった「質問書の回答」について警察庁から「回答に間違いがあった」旨の連絡がありました。記事では「自動車が自転車を追い越す場合には道路中央の黄色実線(追い抜き禁止箇所)を跨いでもいい」と結論付けられていますが、結局これは道交法違反になるとのことです。結果的に間違った記事となったことをお詫びするとともに、記事を読んで法令解釈などに誤解が生じませんようご注意をお願いいたします」

で、警察から改めて回答が来た(やっと本編スタート)。

「法第17条第5項第4号に規定される「道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている」道路においては、他の車両を追い越そうとして黄色実線の中央線をはみ出して通行することはできません。」

結局自転車を追い越す場合でもイエローラインをまたいではダメ、ということです。

まあ、やっぱそうだよねー。結果は事前に電話をもらったときに聞いていたのでショックも少なめ。

ところでここで持ち出された道交法第17条第5項第4号ってどんな法律なの?

調べたらこんな条文だ。

「5 車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。(略)」

「四 当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(略)(道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)。」

ちなみに「道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合」の「道路標識等」には、追い越し禁止の標識や黄色のセンターライン(道路標示)が含まれる。

つまりこういうことだ。

車線の幅員が6m未満のときは追い越しのために道路の真ん中より右側にはみ出していいですよ、つまりセンターラインをまたいでもいいですよ。ただし黄色のセンターラインのときはダメですよ……。

(細かく言うと、ここで言ってる「ダメ」は、17条第5項第4号が黄色線を直接禁止しているっていうより、標識などで禁止されている区間では“右側にはみ出せる例外"が使えない、という意味だ)

まあ、なんかあまりに当たり前のことを言われてビックリって状態だ。黄色センターラインをまたいで走っちゃいけませんなんて常識でしょ。

ダメって書かれているからダメです、って答えをもらい、はいそうですかと引き下がるわけにはいかない。

俺は「自動車が延々自転車を追い越せない問題」がどうなるかを知りたいのだ。

で、悩みながらいろいろ調べていたら道交法第30条ってのに出くわした。

警察庁から再送されてきた回答。前回の回答に赤線が引かれ、新しい回答が付け加えられていた。

次ページ > 2つの条文、どっちが正しいの?

SHIFTA

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