キャリア

2026.05.01 13:00

従業員の41%が「ミスが解雇につながる」ことを懸念──イノベーションが加速する組織のつくり方

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リーダーらはますます従業員に多くを求めている。斬新なアイデアを出せ、従来のプロセスに疑問を持て、大胆に考えろーー。だがThe Harris Poll(ザ・ハリス・ポール)がINTOO(イントゥ)と実施した新たな調査によると、従業員の41%が、職場でたった一度のミスが解雇につながるのではないかと恐れている。組織はイノベーションを推進しているが、それを追求するために必要な安心感は提供できていない。

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この隔たりはリーダーらに喫緊の問いを突きつけている。自分の職場を「支援的だ」と評価している従業員でさえ、一度のミスがどのような代償をもたらすのか強い不安を抱き続けているのはなぜだろうか。その答えは、多くの組織が見落としているイノベーションの本当の障壁を明らかにしている。

イノベーションは職務要件に

調査によると、イノベーションはほぼすべての職務において当然の要件となっている。かつてはごく一部の従業員にだけ求められていたものが、今では大多数の労働者が対象となっている。

数値は一貫した事実を物語っている。

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・従業員の74%が職場でイノベーションを求められていると答えている
・78%が改善のために定期的に新しいアイデアを出していると答えている
・64%がもっと多くのことをしたいと考えている

従業員は現場に立ち、貢献し、さらに前進しようとしている。では、なぜ実際にリスクを取ることをためらうのだろうか。

支援的な社風に潜むパラドックス

従業員のエンゲージメントを浮き彫りにしたこの調査は、同時に心の奥底にある不安も明らかにしている。従業員が恐れているミスは日常的に起こりうるものだ。

・誤った情報を伝える
・タスクをやり忘れる
・タスクを誤った形で完了させる

これらはありふれたミスだが、それぞれがキャリア上のリスクのように感じられることもある。その不安は従業員たちの自分の職場の評価によって説明し難いものになっている。直接尋ねると、多くの人が自分の職場は心理的に安全で実験を支援する空気があると答えている。

・82%が職場で「わからない」と認めても安全だと感じている
・81%が成果改善のために新しいことに挑戦しても安全だと感じている
・79%がミスは通常、学習の機会として扱われると答えている
・77%が上司は常に新しいアイデアに対して受容的だと答えている

表面的には、これらは自信に満ちた革新的な従業員を育むのに適した環境条件のはずだ。上司は耳を傾け、ミスは学びとされ、新しいアイデアは奨励される。それにもかかわらず、不安は消えない。これがパラドックスだ。方針は整っているのに、従業員は依然として確信していない。

若年労働者は他の世代よりもイノベーションに積極的

調査ではまた、年齢層ごとに明確な違いが見られた。18〜44歳の労働者は65歳以上の労働者よりも職場で定期的に革新的な思考を提供していると答える割合が高い(81%と62%)。また、35〜44歳の従業員は55歳以上の従業員よりも、自分の上司が新しいアイデアに受容的だと答える傾向が強い(83%と73%)。

このパターンからは同時に2つのことが起きていることがうかがえる。若手や中堅層は、イノベーションをキャリアの「通貨」として捉え、変化の激しい職場で自らの価値を示し、変化の速い職場で存在感を保つ手段としている。一方、年配の従業員は自分のアイデアが歓迎されていると感じにくい。こうしたことから組織が意図せずイノベーションを若さと結びつけているのではとの疑問が生じる。

この隔たりはまた、発言への恐れが労働力の中で不均一に生じているのではないかという疑問も投げかける。イノベーションが全員に求められているのであれば、貢献の経験も一貫しているべきだ。こうした不均一な貢献は、単なる人口統計の違い以上のものを示している。それはリーダーが伝えていることと、従業員が実際に信じていることに乖離があることを示している。

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翻訳=溝口慈子

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