中国本土のテック企業が香港に上場先を求めて押し寄せる流れは、衰える気配がない。最新の上場銘柄は、ロボットの「視覚」を担うCMOSイメージセンサーの開発企業、Gpixel(長春長光辰芯微電子)だ。中国の「光学・精密機器の拠点」である長春に本社を置く同社株は4月17日に香港証券取引所への上場以来144%上昇し、創業者兼会長の王欣洋はビリオネアの仲間入りを果たした。
46歳の王はGpixelの筆頭株主で、持株比率は23%。同社の最高執行責任者である妻の張燕霞が保有する1.6%と合わせると、4月21日終値の97.5香港ドル(約2000円。1香港ドル=20円換算)に基づく王の資産は13億ドル(約2010億円)に達する。Gpixelは、王のビリオネア入りに関するコメント要請に応じなかった。
GpixelのIPO(新規株式公開)による調達額は26億香港ドル(約520億円)。コーナーストーン投資家には、中国のプライベートエクイティ大手ヒルハウス・インベストメントとBoyu Capital(博裕資本)のほか、バイトダンスの初期支援者であるSource Code Capital(源碼資本)、香港のバリュー・パートナーズ(恵理集団)が名を連ねた。Gpixelは目論見書で、IPO資金の76%を研究開発(R&D)投資に充て、杭州に新たなR&Dセンターを建設することなどを挙げた。残りは香港、韓国、日本での事業拡大に投じるとしている。
同社が手がけるCMOSイメージセンサーは、光を電気信号に変換して画像を取得するチップであり、スマートフォンやカメラからX線装置、ロボットに至るまで幅広い電子製品に組み込まれている。ファブレスモデルで事業を展開するGpixelは、主に産業用途で使われるセンサーを設計しており、半導体製造における欠陥検出やロボットのナビゲーションなどに用いられる。また、科学研究で使用されるような高度なカメラにも採用されている。



