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2026.04.27 16:00

金銭的ストレスを抱えている人へ、「いつもお金がない」と感じる理由と不安から抜け出す3つの心理的習慣

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習慣2:週1回の「マネーミーティング」で金銭忌避をやめる

金銭面の安定を損なう習慣の中で、忌避は最も一般的なものだ。銀行の明細を見ない、購入前に残高を確認しない、必要に迫られるまでクレジットカードの利用状況を確認しないなど。これは自己防衛のように感じられるが、心理的には逆効果だ。

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忌避は不安に関する研究で最もよく実証されているパターンの1つだ。不快感を引き起こすものを避けると短期的には安心できるが、回避しているものが本当に危険だという思い込みを強化することにもなる。やがてそれは心の中で小さくなるどころか大きくなる。金銭忌避も同じで、見ないほど目を向けることが怖くなる。

これは重要な点だ。専門誌『Journal of Family and Economic Issues』に掲載された2018年の全米健康調査のデータを用いた研究では、心理的苦痛を最も強く予測するのは客観的な経済困窮ではなく、金銭面の不安であることが示された。自分の経済状況に対する主観的な認識の方が、実際の所得水準よりもメンタルヘルスに悪影響を及ぼしていた。そして、現状が分からないことほど経済的な不安を着実に増幅させるものはほぼない。

認知的な側面もある。行動経済学者センディル・ムライナサンとエルダー・シャフィールは2013年に出版した共著本『Scarcity: Why Having Too Little Means So Much』で、金銭のストレスが「トンネル効果」を起こすと説明している。これは目先の金銭の懸念に意識が向かいすぎて、長期的な計画や広い視野での判断ができなくなる状態のことだ。忌避はこのトンネルから抜け出す助けになるどころか、身動きが取れないようにしてしまう。

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この忌避の習慣を断ち切るために、週に一度、同じ曜日・時間に10分間確保して自分の金銭行動を見直したい。意識的に取り組む気持ちになるなら、これを「マネーミーティング」と呼んでもいい。目的は何かを解決することではない。金銭に関する情報は、恐れるべきものではなく向き合えるものだと感じられるようにすることだ。

習慣3:自己価値と資産額を切り離す

おそらく最も心理的に有害な金銭の習慣は、最も根深いものでもある。それは「自分の価値は収入で決まる」という無意識の思い込みだ。

経済的なアイデンティティが個人のアイデンティティと一体化すると、あらゆる挫折が人間としての自分の価値を問うものになる。解雇は単なる経済的な出来事ではなく、人としての自分の価値に対する「判決文」になる。貯蓄目標の未達は計画の問題ではなく、個人の失敗の証になる。あらゆる経済的な判断に伴う心理的な重みは計り知れないものになり、金銭に関して冷静に考えることはほぼ不可能になる。

マネースクリプトに関するクロンツの研究では、資産額と自己価値を強く結びつける人は、衝動的な支出や意義を作り出すために他人にお金を与えるといった経済的な甘やかし行動が多いことが示された。そうした行動は一見すると寛大に見えるが、その裏では自分の価値を感じようと必死になっている。

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翻訳=溝口慈子

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