AIに負けないために必要な3つのスキル
ゲーツェルが「移行期間」と呼ぶ局面を前に、働く人は、働く未来(その時点でそう呼べるならだが)において有用であり続け、重要性を保てるスキルを磨く必要がある。
1. 強い人間関係構築力とコミュニケーション能力
「超知能が本当に到来し、それが私たちの種にとって有益な形で実現すると仮定すれば、私たちに残るのは私たち自身、つまり自分の心身、友人や家族そして人間関係だ」と彼は言う。「だから大切なのはそこだ。自分の人生において自分自身に満足し、愛し愛される人がいるなら、それは残る。そしておそらく、それが最も重要だ」
AGIやASI(人工超知能)の高度な段階に至っても、教育職はAIの時代を生き延びるという筆者の言及に立ち返ると、これは確かに理にかなっている。
AIの次なるフロンティアで最も重要になるスキルは、人間関係に根ざしたものだからだ。
その兆しはすでにある。AIが量産した「粗悪」な履歴書が採用担当者に送りつけられ、ATS(採用管理システム)が最も有能な候補者でさえふるい落とす時代において、人間のつながりや意思決定者へのアクセスを得て、紹介を取り付ける力は一段と重要になっている。
したがって、いま注力すべきは、次のようなスキルの構築だ。
・感情知能(EQ)
・信頼関係の構築
・コミュニケーション能力(あらゆるレイヤーで)
・積極的に相手の話を聞く
2. ピボットする力
「すばやく方向転換し、軽やかに立ち回れるようにならなければならない」とゲーツェルは筆者に語った。Courseraと世界経済フォーラムの報告によれば、適応力と機動性は、いま雇用主が求める上位スキルに入っている。
これまでと同じやり方に固執し、ほんの一瞬でも調整を拒むようなら、現実から乖離して重要性を失い、次に何が起きるかに備えられない。
つまり、次のような行動が必要になる。
・毎月、新しいスキルを学ぶ
・少なくとも年に1回は、リスキリング講座に投資する(あるいは無料で学ぶ)
・業界ニュースを追い、これが自分の仕事や組織にどう影響するかを批判的に振り返る
そして、会計など、自分より賢いコンピュータでも遂行できる役割に就いている場合は、人の手触りやつながりが不可欠なキャリア(看護師、教師、講演者、特定のコーチングなど)へ移る意思と準備を持つことが求められる。
3. 自分自身と向き合えること
これは興味深い見立てだった。ゲーツェルがこれをスキルの1つとして挙げるとは、筆者は想像していなかった。とはいえ、なぜそれが不可欠なのかは理解できる。
たとえば筆者は自他ともに認めるワーカホリックである。そのため「自分の時間」とは、たいてい何らかの形で仕事を含む。
仕事が自分のアイデンティティだと言う人も、ほかにいる。
しかしゲーツェルがここで示唆しているのは、人間は仕事の領域を超えて、自分という存在そのものを楽しみ、周囲にある美しさを受け入れ、いまこの瞬間に深く在り、そして自分を親密なレベルで理解することで、他者とよりよくつながれる地点に到達する必要がある、ということだ。
働く未来についての、実に興味深い見方である。
結局のところ、問題は「どの仕事が残るのか」ではないからだ。
その点はいまだ不確実である。
むしろ問われているのは、「この新しい時代に、あなたはどんな人間になるのか」ということなのだ。


