アジア

2026.04.24 08:00

ホルムズ海峡の開放に向け、中国ができることは

イランの首都テヘランで会談する同国のハッサン・ロウハニ大統領(右、当時)と中国の習近平国家主席。2016年1月23日撮影(Pool/Iranian Presidency/Anadolu Agency/Getty Images)

イランの首都テヘランで会談する同国のハッサン・ロウハニ大統領(右、当時)と中国の習近平国家主席。2016年1月23日撮影(Pool/Iranian Presidency/Anadolu Agency/Getty Images)

イランがホルムズ海峡で船舶を拿捕(だほ)したと報じられたことを受け、中国の習近平国家主席は20日、同海峡の正常な航行が維持されるべきだと述べた。2月末に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以降、中国がこの問題について発言したのは今回が初めて。習主席はホルムズ海峡の開放を求めるとともに、ペルシャ湾岸地域での戦闘の終結に向けた即時かつ全面的な停戦の重要性を強調した。

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習主席は影響力を行使し、同海峡を通常の状態に戻すことを目指しているようだ。2025年の中国の国内総生産(GDP)の3分の1は輸出によるもので、貿易の混乱や世界経済の低迷は、同国の輸出主導型の経済に打撃を与えることになる。ホルムズ海峡を巡る不確実性は中国にとって大きな課題となっている。しかし、中東情勢を正常化させるために、中国にはどのような影響力があるのだろうか? そして、なぜ中東は中国にとってこれほど重要なのだろうか?

中国と中東の相互依存関係

ここ数年で、中国の中東への関心は著しく高まっている。米国のドナルド・トランプ大統領が引き起こした米中貿易戦争を受け、中国政府が貿易関係の多角化と拡大を進める中、中東諸国が重要な貿易相手国として台頭した。中国は既に数年前からペルシャ湾岸諸国をはじめとする国々との関係強化を進めていた。2024年には中国と中東・北アフリカ諸国間の貿易額は4807億ドル(約77兆円)に達した。同地域からの中国の主な輸入品は原油だ。

米国との経済的な相互依存関係を軽減するための措置を講じる以前から、中国は中東産エネルギー資源の安定的な輸送を確保することを目指していた。中国の原油輸入のうち、ロシア産原油が占める割合が18%であるのに対し、中東産は53%を占めている。中国は中東産原油の最大の輸入国であり、同国の原油輸入量の約45%がホルムズ海峡を経由している。

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仲介役として台頭する中国

中東で中国の重要性が高まっていることを踏まえると、米国とイランの停戦合意の仲介役を務めるパキスタンが中国に働きかけるよう依頼したことは驚くべきことではなかった。だが、中国はこれまで平和構築や直接的な仲介には積極的に関与しておらず、中立的な立場にとどまり、多大な負担を伴う関与を避けてきた。他方で、中国は国際的なイメージの向上に努めており、仲介役や平和維持活動で存在感を増してきた。例えば、同国は2020年までに世界の平和維持活動に2249人の要員を派遣してきたが、1989年当時はわずか20人に過ぎなかった。

中国の仲介の仕方は、西洋のやり方とは対照的だ。中国の仲介活動は、中立性、実用主義、不干渉を基本原則としており、経済制裁に頼ることなく、他の経済的圧力手段を選択することが多い。しかし実際には、中国の取り組みは透明性に欠けており、他の関係者を犠牲にしながら、自国の経済的利益に基づいて形作られている。だが、一部の国々にとっては、中国のやり方は、強制的な外交や民主主義の規範の推進を特徴とする米国の方針や、多国間主義と国際法を重視するものの、官僚主義による遅延によって進展が妨げられる可能性のある国連の進め方より魅力的なのかもしれない。

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翻訳・編集=安藤清香

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