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2026.04.27 10:30

AI時代のリーダー論、「天才」を演じる覚悟:中村壱太郎×蓮見翔

中村壱太郎 歌舞伎俳優・蓮見 翔 「ダウ90000」主宰

中村壱太郎 歌舞伎俳優・蓮見 翔 「ダウ90000」主宰

現在発売中のForbes JAPAN 4月24日発売号は「THE LEADERSHIP AI時代のリーダーシップ」特集。2022年のChatGPT登場以降、日本でも「AX」が経営課題の中心に躍り出た。自ら思考し、タスクを完遂する「AIエージェント」や、人型ロボットや高度な自動化技術といったフィジカルAIたちが、さまざまな組織に新たなアクターとして加わっている。こうした時代の転換点において、リーダーはAIを効率化のための道具にとどめず、新たな事業創出のためのパートナーととらえ、戦略的に使いこなすことが求められている。AIと人間が仲間として共に働く未来において、組織におけるリーダーシップはどう変化するのか。本特集では、多様なアプローチで未踏の時代を切り拓く新しいリーダーたちの言葉から、「AI時代のリーダー像」を探る。

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伝統文化を拡張する中村壱太郎と、俳優、芸人、脚本家と領域を超えて才能を発揮する蓮見翔。カルチャープレナー、30 UNDER 30受賞者のふたりが語るリーダーシップとは。


「“天才”みたいな顔をしていたほうがいい」(蓮見)

「“政治家並み”に相手に届く言葉を選ぶ」(壱太郎)

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こう話すふたりは、未来にユニークな「旗」を立て、それをチームに信じさせる力を持ったリーダーだ。

AIが最適解を導き出し、組織が仕組みで回るAI時代。リーダーに残された“聖域”は、未来を自ら設計することではないか。人間国宝の祖父をもつ歌舞伎界のサラブレッドでありながら、「ART歌舞伎」など自らスタートアップ的に型破りな挑戦を続ける中村壱太郎。そして演劇とお笑いの両方を演じる8人組「ダウ90000」主宰として、独自に経済圏をつくり既存のエンタメ界の力学を書き換える蓮見翔。「感情」で人を動かすことで新たな市場を創出するカルチャー領域のリーダーふたりに、新世代のリーダーシップを問うた。


──おふたりはそれぞれご自身でプロジェクトや団体を立ち上げています。

中村壱太郎(以下、壱太郎私は、伝統のある歌舞伎を次世代に継承していくために多くの方に知っていただきたいという思いで個人活動をしてきました。そのうちのひとつである「ART歌舞伎」の構想のはじまりは2017年ごろ。歌舞伎の人気は400年の歴史のなかで常に上下を繰り返していますが、当時私は「再び氷河期が来ているのでは……」と感じていました。そんななかで20年にコロナ禍となり「今こそ何かを発信しよう!」と考えました。

蓮見翔(以下、蓮見僕が「ダウ90000」を旗揚げしたのも同じタイミングです。僕は20年3月に大学を卒業しましたが、すぐにコロナ禍になって何もできなくなっちゃって、同年の9月に前身となる演劇集団のメンバーのなかで「もう1回やれる人で集まろう」となりました。

壱太郎:イベントのリアル開催を自粛せざるをえなかった時期ですよね。私はいつもの歌舞伎をやるだけじゃダメだと思い、懇意にさせていただいている「湘南乃風」の若旦那さんに相談しところ、配信公演というアイデアをいただきました。

蓮見:今でこそオンライン配信は当たり前になりましたが、当時演劇やお笑いの世界には「やっぱり生で見ないと意味がない」という空気があって、配信に抵抗がありましたよね。

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文=中村千晶 写真=小田駿一 スタイリング=中島有哉 ヘアメイク=久木山千尋

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