──リーダーとしてどのようにチームをつくってきたか。
壱太郎:「ART歌舞伎」は、僕がリーダーシップを取ったというよりは、みんなで「悶々とした思いをぶつける場をつくろう! という思いではじまったからこそ成功につながったと思います。
蓮見:僕もリーダーとして「何をやるか」などすべてを決定する立場ではありますが、自分が仕切っているという感じはしなくて。メンバーが自分を信用してくれて、いい意味で言うことを聞いてくれています。ただ「この人について行っても大丈夫だ」と思ってもらえるように「早めに結果を出す」ことはリーダーとしての役割だと思ってきました。
そこでダウ90000は旗揚げした後すぐに劇場を予約して4カ月後の21年1月に初の演劇公演をやり、最初の1、2年はとにかくテレビに出ることを目標にしました。メンバーが早期に具体的な達成感をもてることを意識していました。
壱太郎:その姿勢にはすごく共感します。「ART歌舞伎」はリアル公演をするまで5年かかったんです。それでも早期に配信での大きな成果をつくれたから、それぞれの仕事があってもかかわったメンバーたちはつながっていられた。
“達成感”にもつながりますが、「ART歌舞伎」に出演したメンバーは、例えば演奏家が新作歌舞伎「刀剣乱舞」の音楽に携わるようになるなど、次の仕事のきっかけにもなったんです。そう考えるとスタートアップ的にチームをつくり結果を出していくことが自分のやりがいでもあり、役割なのかなとも思います。
「城」を築くためにもつべき軸
蓮見:お笑い業界に関して言うと、僕は最近「お笑いは流行っていない」とよく言ってるんですが、これからの時代、「狭さ」が課題になっていくと思っています。
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なかむら・かずたろう◎95年に初舞台を踏み、『金閣寺』の雪姫、『京鹿子娘道成寺』など大役を務める。女方を中心に歌舞伎の舞台に立つ一方、映画『国宝』では舞踊家・吾妻徳陽として所作指導し、第49回日本アカデミー賞クリエイティブ貢献賞を受賞。
はすみ・しょう◎1997年生まれ。コントや演劇、ドラマの脚本・演出を手がける。2020年9月、日本大学芸術学部出身のメンバーを中心に、男女8人組「ダウ90000」を結成し、翌年「M-1グランプリ2021」の準々決勝に進出。2025年、第7回演劇公演「ロマンス」で、第70回岸田國士戯曲賞を受賞。


