環境災害が、いわゆる再生可能エネルギーのために迫っている。
今世紀に入り、化石燃料の代替として風力発電や太陽光パネルを大規模に推進してきたことは、人類史上屈指の愚行の1つである。この25年間で、これら「再生可能」エネルギーに費やされた費用は10兆ドル(約1590兆円)を超え、その政治・経済面の帰結は惨憺たるものだ。
投じられた資金と課された規制は、欧州経済を大混乱に陥れた。例えばドイツと英国のエネルギーコストは、米国の2〜4倍だ。人為的に押しつけられたこれらの負担は、EUの悲惨な成長率の主要因の1つだ。停滞する経済は、ドイツをはじめ各地で過激派政党が不気味に台頭する土壌にもなった。
米国によるイランへの攻撃は、この再生可能エネルギー推進がいかに馬鹿げたものであったかを如実に示した。太陽光パネルや風力タービンをこれほど導入してなお、世界の石油使用量は約3分の1増加し、1人当たり消費量も21世紀に入って以降おおむね横ばいのままである。鋭い洞察力を持つエネルギー専門家でテクノロジストのマーク・ミルズは最近、「壮大で高コストなエネルギー転換の実験が始まった頃よりも、現在の世界は石油への依存度を高めている」と指摘している。
この愚行がもたらした莫大な機会費用を、少し考えてみてほしい。もしその数兆ドル(数百兆円)が、新製品、新サービス、新たな医療機器、病気の新治療法、そしてもちろん石油・天然ガスの増産や、究極のクリーンエネルギー源である原子力の開発に向けられていたらどうだっただろうか。幸いなことに、米国政府は多くの国々ほどの規模でこの愚かさを受け入れなかった。
この愚行のもう1つの代償が、やがて支払いを迫られることになる。それは、マーク・ミルズが設立し率いる非営利団体、全米エネルギー分析センター(NCEA)の報告書のタイトル「Who Pays When Wind Turbines and Solar Panels Wear Out? A Hidden Energy Liability(風力タービンと太陽光パネルが寿命を迎えたとき、誰が費用を負担するのか? 隠されたエネルギー負債)」に端的に表れている。



