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2026.04.21 09:00

テスラの時価総額が「2兆ドル」になるための道筋

Aleksei Potov - stock.adobe.com

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米国時間4月17日、テスラ(TSLA)の株価は過去5営業日で約12%上昇し、時価総額は約1兆2000億ドル(約191兆円)に達した。これは、同社の最新AIチップ「AI5」が正式にテープアウト(設計が確定し、製造工場に送られる段階)に至ったとの報道を受けてのことだ。

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この評価額は高く見えるかもしれないが、2030年までの収益ポテンシャルを考慮すれば納得がいく。

テスラは単なる自動車メーカーという地位を超えつつある。ロボティクス、自動運転、シリコン技術を包含する、実体を伴うAIプラットフォームへと変貌を遂げているのだ。

この3つの成長分野が予想どおりに発展すれば、テスラは2兆ドル(約318兆円)の時価総額に容易に近づく可能性がある。しかもその評価はより妥当なものとなるだろう。

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2030年までに売上高2500億ドルを目指す

テスラは2025年に約950億ドル(約15兆1000億円)の売上高を計上し、2027年までに1200億ドル(約19兆1000億円)近くに達するとの予測が出ている。2030年に2500億ドル(約39兆7000億円)を達成するには、規模を拡大した自動車部門に加え、3つの新たな高利益率分野が成熟する必要がある。

ライドシェアの可能性

ウーバーは世界で1日あたり推定4000万回の配車を管理しており、年間では約130億回に相当する。この収益プールの価値は年間3000億ドル(約47兆7000億円)以上と見られている。自動運転車が普及すれば、価格低下とアクセス向上により、市場全体は1兆ドルを超える規模に容易に成長し得る。

現在、ウェイモが運転中の監視者なしのレベル4ロボタクシーを運用し技術面でリードしているが、テスラの長期的な競争優位性はコスト効率とスケールにある。ウェイモは高価なLiDAR搭載車両に依存しているのに対し、テスラの監視付きレベル2システムはカメラベースのビジョンを活用し、すでに大規模な車両群を保有している。規制上のハードルがクリアされれば、はるかに迅速かつ経済的なスケーリングが可能となる。テスラが1兆ドル市場のわずか5%を獲得するだけで、年間500億ドル(約7兆9500億円)の売上高となる。

Optimusのロボティクス

テスラの人型ロボット「Optimus」構想は、年間100万台の生産を目指しており、2026年から本格的な量産を開始する予定だ。テスラは納期を守ることへの実績が芳しくないが、2030年を達成時期と仮定し、1台あたり3万ドル(約477万円)の価格で計算すると、2030年までに年間300億ドル(約4兆7700億円)の売上高を見込むことができる。

テスラが低価格の中国勢と差別化できるのは製造ではなく、ニューラルネットワークの学習技術にある。車両を動かすのと同じAIフレームワークがOptimusにもソフトウェア上の優位性を与えており、短期間で模倣するのは困難だ。とはいえ、これには重大な実行リスクが伴うことを念頭に置く必要がある。

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