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2026.04.20 09:15

AIに奪われない仕事を選ぶ新基準 学生の8割が現場職を視野に

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AIが仕事を奪う。そんな漠然とした不安が、就活生の職業選択をじわじわと揺さぶり始めている。オフィスで働くか、現場で働くか。かつてこの二択は、ほぼ自動的にオフィス側に傾くものだった。大学を出たらデスクワーク。その前提が、いま足元から揺らぎつつある。

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現場系職種に特化した求人サイト「クロスワーク」を運営するX Mileが、就職予定の学生500人を対象に職業観に関する調査を実施した。浮かび上がったのは、AI時代の到来を前に揺れる学生たちのリアルな判断軸だった。

オフィス志望でも75%が現場職を視野に

現時点で魅力を感じる仕事を尋ねると、オフィス系(事務・企画・営業・管理など)が73.8%、現場系(製造・建設・物流・インフラなど)が26.2%。数字だけ見れば従来どおりの構図だ。

ところが、オフィス系を選んだ369人に「条件が変われば現場系を選んでもよいか」と聞くと、景色が一変する。「絶対に変えたくない」と答えた学生は24.9%にとどまり、75.1%は条件次第で現場系もありだと回答した。

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最多の条件は「休日や勤務時間の改善」(39.6%)、次いで「年収の大幅な上昇」(29.0%)。学生が天秤にかけているのは職種の格ではなく、働き方と待遇の中身だ。もともと現場系に魅力を感じている131人と合わせると、全体の約8割が現場職を選択肢に入れている計算になる。

AIリスクの認識が職種の壁を溶かす

この動きの背景には、AI代替リスクに対する認識の差がある。職種のイメージを尋ねたところ、オフィス系で最多だったのは「AIに代替されやすい」(31.4%)。一方、現場系で同じ回答を選んだのはわずか7.0%で、約4.5倍の開きがある。

就職活動でAI・自動化の影響をどの程度考慮しているかという問いでは、7割以上が何らかの形で意識していると回答。就職先選びで「AIに代替されにくいこと」を重視する学生も27.2%にのぼった。従来の就活ではまず挙がらなかった基準が、年収や専門スキルといった定番の軸に続く位置まで上がってきている。

ただし、現場系の仕事に対するイメージで最多だったのは「体力的にきつい」(47.6%)だ。AIに代替されにくいことは認めつつも、身体的な負荷への懸念が心理的なブレーキになっている構図が見えてくる。

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文=池田美樹

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