今の人は、どんなに経済的に苦しくてもスマホだけは手放さない。生活費を削ってでもスマホを温存する人たち。スマホ依存じゃないか、と眉をひそめたくなるかもしれないが、そこには深刻な理由がある。スマホがないとまともに生活ができない世の中になってしまったのだ。
通信困窮者支援事業を展開する「誰でもスマホリサーチセンター」(アーラリンク提供)は、一定期間携帯電話を持てなかった経験がある男女604人を対象にアンケート調査を実施したところ、生活費が厳しくなったときに最後まで優先して支払うものとして、233人(約39パーセント)が「スマホ代(通信費)」と答えた。家賃、食費、光熱費よりも断然多い。給料が出たらまずスマホ代を払い、あとは食費を切り詰めるという人もいる。

なぜそこまでしてスマホ代を払うのか。携帯電話を失えば、連絡先も失われる。そうなると、仕事の面接や困窮時の行政への相談もできなくなり、社会的に孤立してしまうのだ。携帯料金の滞納で強制解約となり、通信手段を失った人たちの絶望感は計り知れない。「身動きがとれなくなる状況に二度と戻りたくない」という思いが、スマホ代最優先につながっている。
実際に、行政の支援や窓口に頼ろうとしたとき、スマホがないために「電話番号がない」と断られた経験がある人は235人(約39パーセント)もいる。

また、電話番号がない、またはSNS認証ができないことで、日雇いや単発アルバイトの採用を断られた経験を持つ人は、約46パーセント。とくに単身者は、電話番号がないことで孤立が深刻化する。

アパートを借りる際の契約は緊急連絡先の登録、仕事に応募したときの面接日時のやり取り、急病時の病院への連絡など、どれもが電話番号を持っていることが前提だ。電話番号を失う困窮生活に陥り、なんとか人間らしい生活に戻ろうと努力しても、それには電話番号が必要だと言われてしまう。便利さのすぐ近くで口を開ける絶望の淵だ。スマホだけは死守したいと願うのは、当然のこと。そうした現状を知っておきたい。
アーラリンクは、そのような「通信困窮者」が通信インフラを取り戻せるサービスを提供している。



