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2026.04.15 10:30

米国のホルムズ封鎖によって高まる「バブ・エル・マンデブ海峡封鎖」の懸念

Majid Saeedi/Getty Images

バブ・エル・マンデブ海峡の封鎖は、中東から石油や天然ガスを輸送するための海上交通の要衝が新たに封鎖されることを意味し、世界の貿易がさらに混乱する可能性がある。米エネルギー情報局によると、2024年には1日あたり推定410万バレルの石油がバブ・エル・マンデブ海峡を通過した。これに対し、国際エネルギー機関(IEA)によれば、2025年にホルムズ海峡を通過した石油は、1日あたり約2000万バレルだった。

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バブ・エル・マンデブ海峡はアジアに石油を送るための代替ルートの1つだ。ABCニュースがケプラーのデータを引用して報じたところによると、現在約700万バレルの石油がパイプラインを通じて紅海沿岸にあるサウジアラビアのヤンブー港に運ばれている。ヤンブー港に届いた石油はその後、紅海とバブ・エル・マンデブ海峡を通過する。トランプによるホルムズ海峡封鎖の数日前、サラジアラビアは、イランによるものとみられるミサイルやドローン攻撃によって被害を受けていたパイプラインの送油能力が、戦前の水準である1日あたり約700万バレルに完全に回復したと発表していた。

JPモルガンのアナリストが4月上旬にロイターに語ったところによると、ホルムズ海峡の封鎖が長期化した場合、原油価格は1バレルあたり150ドルまで上昇する可能性がある。また、短期的には12日につけた109.05ドルから120ドル〜130ドルの範囲まで急騰する可能性があり、混乱が5月中旬まで続けば、価格はそれ以上に上昇する可能性があるという。また、ABCニュースはJPモルガンのアナリストの話を引用し、バブ・エル・マンデブ海峡の封鎖がさらなる価格高騰を招く可能性を報じている。加えて、イランは数週間前に、紛争が継続すれば原油価格が1バレルあたり200ドルを超える可能性があるとも警告していた。

現状、フーシ派はイスラエルに対するミサイル攻撃を行ってはいるものの、バブ・エル・マンデブ海峡上の船舶への攻撃は確認されていない。しかし、ポリティコやアルジャジーラの取材に応じたアナリストによれば、ガザ紛争での行動と同様に、フーシ派が同海峡の船舶を標的にし始める可能性があるとの考えを述べている。イラン国営のタスニム通信は3月初旬、イランのカーグ島への攻撃があれば、バブ・エル・マンデブ海峡と紅海において「政情不安」が起きると述べたイラン軍事関係者の言葉を報じている。

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AP通信の報道によれば、スエズ運河を通過してアジアへ向かう航路に位置するバブ・エル・マンデブ海峡は、世界全体の貿易量の約12%を担っている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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