経済

2026.04.15 09:00

26年の世界の石油需要、中東情勢悪化でパンデミック以来最大の減少か IEA予測

Vladimir - stock.adobe.com

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国際エネルギー機関(IEA)は14日、イラン情勢に起因する混乱が石油の供給不足と価格高騰を招き、大規模な「需要破壊」を引き起こすことから、世界の石油需要は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)以来、最も急激な落ち込みを見せると予測した。

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同機関は報告書の中で、今年の石油需要は日量8万バレル減少するとし、日量64万バレルの増加としていたこれまでの予測を大幅に修正した。

現在までに石油消費量が最も減少しているのは中東とアジア太平洋地域で、主に「ナフサ、液化石油(LP)ガス、ジェット燃料」の減少が著しいという。供給不足と価格高騰が続くにつれて、この需要減退は広範囲に及ぶとみられている。同機関は、イラン情勢の悪化に伴うホルムズ海峡の封鎖によって引き起こされた現在の石油供給の混乱が「史上最大規模の混乱」であることを改めて強調した。

IEAはまた、今年の世界の石油生産量は前年比で日量150万バレル減少すると予測。これに関しても、日量110万バレルの増加としていた以前の予測を覆した。

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世界の石油供給量の20%が輸送されるペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡の封鎖により、原油先物市場では大きな変動が生じている。こうした状況下でも、国際指標の北海ブレント原油先物は1バレル120ドルを下回り、おおむね100ドル前後で推移している。だが、IEAの報告書は、実際の原油の現物取引価格であるスポット価格がこれより大幅に高くなっていると指摘している。同機関によると、原油の現物価格は150ドル程度まで高騰しており、深刻な供給不足を反映している。IEAは「供給源が縮小する中、石油輸入国は代替となる原油の確保に奔走している」と記した。

報告書は、恒久的な停戦の見通しは現時点では依然として不透明であり、今回の予測は、年半ばまでに中東からの定期的な石油供給が再開されることを前提としているが、供給量は紛争前の水準を下回るとしている。その上で、IEAは「状況がどのように展開するかについては不確実性が極めて高いため、このシナリオは楽観的すぎる可能性がある」との認識を示した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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