限定モデルは商品パッケージも豪華だ。ヘラルボニーの契約作家である工藤みどり氏による、美しい点描画を限定ボックスの外装にあしらった。中を開けると、作家の藤田望人氏がデザインしたオリジナルステッカーのほかに、フラットな背面の美しさを活かしながら本体を保護できる専用バンパーケースが同梱される。
ユーザーが自由にカスタマイズできる「壁紙」の画像も、作家の水上詩楽氏や伊賀敢男留氏、そしてボックスの絵画を描いた工藤みどり氏によるオリジナルのビジュアルアートを元に制作されている。
この特別な壁紙にマッチするアプリアイコンのデザインプロセスには、グーグルの生成AIテクノロジーが活用された。
作家の特徴的な色使いや筆致を詳細なプロンプトに変換し、数百回の試行錯誤を重ねることで、作家の個性をオマージュしたデザインに仕上げたという。作家の作品をデフォルメするのではなく、その表現の本質をデジタル空間に翻訳する作業を粘り強く成し遂げた。
このユニークな試みに対して、作家を支える家族や福祉施設からは前向きな反響が得られたという。「作品をリスペクトしたうえでの、AIを活用した二次創作という関係性を好意的に受け止めていただきました。AIが人の創造性をさらに深め、新しい表現の扉を開くツールになり得ることを、参加していただいた作家の皆様も実感してくださったようです」と、松田氏は笑みを浮かべた。
ヘラルボニーと自然に惹かれ合った
日本限定モデルの開発プロジェクトが始動したのは、今から約2年前だった。グーグルの阿部氏は、Pixel 10aの商品企画を進める中で、日本市場のユーザーがaシリーズの躍進を支えてきたことも強く意識してきたと語る。
「最初にレギュラーモデルのPixel 10aの商品企画について社内で議論を重ねながら、スペックやデザインを段階的に固めてきました。検討が最終段階に差しかかった頃、日本のユーザーに向けて何か特別なことができないかという声が、特定の誰かの発案ではなく、自然に社内から上がってきました。Google Pixelシリーズの10周年という節目でもあることから、チーム全体として、記念となる取り組みを通じてユーザーに感謝を伝えたいという思いが高まりました」


