表彰は評価であり、同時に「次のフェーズへの合図」でもある。受賞をきっかけに、ある企業は設備に、ある企業は組織に、ある企業は市場との向き合い方に踏み込んだ。その結果、売上高、海外売上比率、生産性といった“数字”が動き出した。本特集では、受賞後に最も大きく動いた数字と、その裏にあったブレイクスルーに迫る。
海外売上比率

社名|大和合金
受賞年度|2021-2022
賞名|カッティングエッジ賞
代表者|萩野源次郎・代表取締役社長
事業内容|非鉄金属・高機能素材の製造
売上高|71.9億円(2022年3月期・連結)→93.4億円(2025年3月期・連結)
ブレイクスルーポイント|受賞前は素材の配合や整合が異なる合金で主に航空機業界を中心に展開をしていたが、受賞後は半導体や核融合といった材料輸出を拡大したことがブレイクスルーとなった。2023年以降、半導体分野では米国の老舗やスタートアップに売り込み、核融合分野では国際核融合炉ITERへの納入実績を足がかりに、イタリアやアメリカの国立研究機関へもアプローチを開始。また中小企業で唯一、核融合協議会の理事企業として推薦を受けた。
具体的に何をやったのか|海外人材の配置を営業・品質保証に限定せず、研究開発・生産管理・製造の各部門へと拡大。外国人材とその上司となる日本人社員の双方に社内独自の研修を実施。国籍や言葉の壁を越え、目指すべき企業カルチャーを全社で共有できる組織へと進化している。

社名|高山医療機械製作所
受賞年度|2019賞名グローバル賞
代表者|高山隆志・代表取締役社長
事業内容|医療機器の開発・製造
売上高|5.7億円→8.2億円
ブレイクスルーポイント|OEMに依存する収益構造から脱却し、「自社製品の直接販売」へ大きく舵を切ったことが最大の転換点だった。独自の技術力が生み出す製品の革新性に確信を持ちOEM売上を意図的に縮小しながら、海外市場へ自社ブランドで直接提案する体制をゼロから築き上げた。その結果、下請け的な立場から、名医から選ばれる製品開発・営業モデルへと転換したことで、海外売上比率は25%から50%へと倍増した。
具体的に何をやったのか|世界屈指の脳外科医とともに技術開発を行い、受賞後の約5年間で新たに17製品のプロダクトを生み出した。2017年には営業部を新設し、新たに自社製品の直販モデルを本格始動させている。新工場ではさらなる設備投資を行い、ソフトウェアの増強とともに生産・検査工程の無人化を推進。職人技と最新技術を融合させた生産体制を確立している。コロナ禍収束後は、海外学会に自社ブースを出展し、海外学会に参加する日本人ドクターを自社ブースでアテンドし、帰国後に国内営業へ引き継ぐ仕組みも確立。海外での評価が国内認知向上にもつながる好循環が生まれている。さらには人事部立ち上げたことで内部統制の強化につながり、採用増加にもつながっている。



