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2026.04.14 12:00

「景気後退」確率40〜50%──投資家はこのリスクをどうポートフォリオに織り込むか

ニューヨーク、米国時間2008年10月2日──リーマンショックに端を発した金融危機への対応策として、ブッシュ政権が提案した7000億ドル規模の金融救済計画(後の不良資産救済プログラム)の行方が注目される中、ニューヨーク証券取引所(NYSE)のフロアでトレーダーたちが取引にあたっている。同計画は10月1日夜遅くに上院を通過し、10月3日の下院採決に向けて差し戻された(Photo by Spencer Platt/Getty Images)

ニューヨーク、米国時間2008年10月2日──リーマンショックに端を発した金融危機への対応策として、ブッシュ政権が提案した7000億ドル規模の金融救済計画(後の不良資産救済プログラム)の行方が注目される中、ニューヨーク証券取引所(NYSE)のフロアでトレーダーたちが取引にあたっている。同計画は10月1日夜遅くに上院を通過し、10月3日の下院採決に向けて差し戻された(Photo by Spencer Platt/Getty Images)

景気後退は予測が極めて難しいことで知られている。冗談として「エコノミストは直近4回の景気後退のうち9回を言い当てた」などとも言われるが、ここ数年、景気後退予測が繰り返し外れてきたこと──とりわけ2022年と2023年には、ほぼあらゆる主要予測者が景気の縮小をほぼ確実視していた──が、多くの投資家を景気後退論に対して適切な懐疑へと向かわせた。ただし、景気後退を「予測する」ことと、ポートフォリオにおける景気後退の「リスクを見積もる」ことの間には、重要な違いがある。前者には予測が必要だが、後者に必要なのは確率と、確実性を要さずにその確率に基づき行動するための枠組みである。

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現在、ウォール街の主要銀行による景気後退確率の見積もりは40%〜50%に集中しており、年初の20%未満から急上昇している。アトランタ連銀のGDPNowモデルは、2026年第1四半期後半に、パンデミック以来初めてマイナス圏に入った。だからといって景気後退が不可避というわけではない──ベースシナリオですらない。しかし、テールリスクが分布の中心に大きく近づいたことを意味し、「ソフトランディング」を前提に構築されたポートフォリオは、より厳しい結果に対してストレステストを受けるべき局面にある。

主要指標は実際に何を示しているのか

景気後退リスクを正しく読み取るには、単一の指標ではなく、指標群のダッシュボードを監視する必要がある。どの単一指標も、それだけで判断を担えるほど信頼性が高くないためだ。歴史的に予測価値が最も高かった指標を中心に、現状がどう見えるかを示そう。

イールドカーブ(利回り曲線)、特に2年債と10年債の国債利回りのスプレッドは、過去2年の大半で逆イールド、またはフラットに近い状態にあった。この形状は過去50年の米国の景気後退すべてに先行しており、先行期間は一定ではないが通常12〜24カ月に及ぶ。逆イールドは解消に向かっており、これを「正常化への回帰」と楽観的に解釈する向きもある。しかし歴史的には、景気後退シグナルは逆イールドの最中ではなく、その後にカーブがスティープ化する局面で現れやすい。FRBの利下げを見込んで短期金利が低下するためだ。いま起きているのは、まさにその解消局面である。

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クレジットスプレッドは、歴史的に圧縮されていた水準から拡大している。ハイイールド社債と国債のスプレッドは2026年第1四半期に、およそ2.65%から3%超へと動いた。まだ景気後退局面の水準ではない──本格的な景気後退ではスプレッドは通常6%や7%を上回る──が、タイトな出発点からの方向性のある変化にはシグナルがある。

ISM製造業PMIは長期にわたり縮小圏にあり、サービスはより底堅かったものの、その差は縮小してきた。消費者信頼感調査は急速に悪化しており、とりわけ輸入品の価格上昇を吸収している低所得世帯で顕著だ。そして労働市場は、景気拡大を維持する主要なショックアブソーバーであり続けてきたが、軟化の兆しが出始めている。崩壊ではないが、歴史的により広範な弱さに先行してきた種類の、緩やかな減速である。

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