その他

2026.04.13 08:00

イラン紛争の勝者と敗者 中国と無人機企業に大きな利益、中東とNATOは前途多難

米国とイスラエルによる空爆で被害を受けたイランのシャリフ工科大学。2026年4月7日撮影(Sobhan Farajvan/Pacific Press/LightRocket via Getty Images)

米国とイスラエルによる空爆で被害を受けたイランのシャリフ工科大学。2026年4月7日撮影(Sobhan Farajvan/Pacific Press/LightRocket via Getty Images)

米国とイランの2週間の停戦合意に伴い、主な当事者以外にも、既に勝者と敗者が現れ始めている。本稿で言及する国や動向の多くは、紛争の直接の当事者である米国、イラン、イスラエルほど世間の注目を集めてはいないものの、今後数年間で地政学情勢に大きな影響を与えることになるだろう。

advertisement

イラン紛争の2つの勝者

中国

この紛争に伴うロシアの利益には大きな注目が集まっているが、中国もまた、目立たない形で恩恵を受けている。

中国は長年にわたり、地政学的な安定を確保し、経済への悪影響を回避することを外交上の優先事項としてきた。同国は中東産の石油に大きく依存しており、年間石油輸入量の約13%をイランが占めている。これを踏まえ、同国は近年、現在直面しているような市場の混乱に備えるべく、入念な準備を進めてきた。

中国は今年初め、供給途絶への備えとして原油輸入を急増させ、近年では13億~14億バレルの戦略石油備蓄を確保すると同時に、世界最大規模のクリーンエネルギー経済の発展に積極的に取り組んできた。これには、電気自動車(EV)産業の構築や国内の発電に占める再生可能エネルギーの割合の拡大などが含まれる。その結果、中国は他の主要国より石油危機を乗り切り、経済成長を維持しやすいとみられている。

advertisement

中国政府は戦闘の終結に向けた外交交渉にも介入し、ロシア、オマーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)など複数の国々と協議を行うとともに、パキスタンと緊密に連携し、石油供給を再開するための計画を練っている。中国の取り組みを批判する人々は、イラン紛争を巡る同国の外交は実質よりも見せかけに過ぎないと指摘している。だが、中国が歴史的にさほど重要な役割を果たしてこなかった地域で紛争解決に向けた協議に参加することで、外交上の存在感を増し、責任ある国際社会の一員としての評判を高めてきたという点は否定し難い。

中国はまた、米軍がイランへの軍事作戦に多大な戦力を投入していること、とりわけ数千人の戦闘部隊や数十隻の水上艦艇の展開、通常兵器や先端兵器の大量消費、高性能戦闘機や指揮統制機の損失といった状況からも明らかに利益を得ている。中国の外交官が公の場で何を言おうと、米国がまたしても多大な費用のかかる中東紛争に足を取られているのを見て、中国政府はほくそ笑んでいることだろう。

次ページ > イラン紛争で無人機メーカーにも莫大な利益が

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事