資産運用

2026.04.12 12:00

そもそも、金と銀の価格はなぜ下がるのか──上昇局面でも知っておくべき「5つの要因」

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金と銀は、何世紀にもわたり投資ポートフォリオの一角を占めてきた。希少性、耐久性、そして他の資産が崩れる局面で価値を保ちやすいという、長年の実績に裏打ちされた性質を備える。現代の投資家にとって金と銀は、ポートフォリオの分散、インフレーションヘッジ、経済的ストレスや地政学的な不確実性の局面における安全資産として機能する。しかし、どちらの金属も一方向にだけ動くわけではない。価格は下落し得るし、実際に下落する。時に急落もする。金と銀が上昇する理由を理解するのと同じくらい、下落する理由を理解することが重要だ。

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金と銀の価格下落をもたらすものは何か。要するに、これらの金属は投資家の関心を他の資産と奪い合っているということだ。利回りを生む投資の条件が有利に傾くとき、あるいは経済全般への信認が強まるとき、貴金属への需要は急速に冷え込み得る。通貨の強さから金利上昇、さらには市場のメカニズムそのものまで、押し目を引き起こしたり加速させたりしやすい具体的な要因がいくつもある。

(1)通貨の強さ(ドル高)が価格を押し下げる仕組み

金と銀の価格に対する最も直接的で一貫した圧力は、米ドルの強さかもしれない。両金属はいずれも世界的にドル建てで価格が付くため、よく知られた逆相関の関係を共有している。ドルが他通貨に対して強くなると、金と銀は海外投資家にとって割高になり、需要が減少して価格に下押し圧力がかかる。ドル安は概してその逆の効果を持つ。

この関係は市場データにも一貫して表れる。CMEグループの調査は、ブルームバーグ・ドル指数が上昇すると、金と銀の価格は下落しやすいことを確認している。さらに、ドル高は通常、米国の金融政策が引き締め方向に向かうとの見通し、あるいは強い経済指標を反映している。そうした状況は、貴金属のような利回りを生まない資産の相対的な魅力を同時に低下させるため、この効果は増幅される。

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財政・通商政策もこの力学に影響し得る。CMEグループの分析は、関税が複数の経路を通じてドル高要因になり得ると指摘する。すなわち、政府歳入の増加、貿易赤字の縮小、そして米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待の低下である。これらはいずれもドルを押し上げ、ひいては金と銀の価格の重しになりやすい。これは、地政学的な混乱の局面でも両金属が常に上昇するわけではない理由を説明している。同じ出来事が同時にドルを強めるなら、通貨効果が安全資産需要を相殺し得るのだ。

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