資産運用

2026.04.12 12:00

そもそも、金と銀の価格はなぜ下がるのか──上昇局面でも知っておくべき「5つの要因」

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(2)金利上昇が打撃となる理由

金利は貴金属市場で最も注視される変数の1つであり、その理屈は明快だ。金と銀は収益を生まない。配当も利子も支払わない。金利が上がれば、国債やマネー・マーケット・ファンドのような利回り資産の競争力が増し、金属を保有する機会費用が高まる。

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明確な歴史的例は、CMEグループの金に関する調査に見られる。2018年10月から2020年6月にかけて、金利見通しがゼロへと崩れる中で、金は1オンス当たり1200ドルから2080ドルへと73%上昇した。だが、2021年にインフレーションが到来し、投資家がFRBの長期金利を0%から4.5%へ再評価すると、金価格は押し戻された。インフレーションが急加速していたにもかかわらず、である。教訓はこうだ。一般に金を痛めつけるのはインフレーションそのものではなく、その後に続く利上げである。

最も重要なのは、実質利回りという概念だ。名目金利からインフレ期待を差し引いたものである。Crux Investorの解説によれば、利下げは実質利回りを押し下げ、利回りを生まない資産を債券に対して相対的に魅力的にする。一方で実質利回りの上昇は逆の効果をもたらす。FRBのコミュニケーションを分析したFXStreetの分析は、これを実例として示している。FRBが、緩和的ではない金融政策経路を示唆したことで金価格に強い重しとなり、タカ派的なコメントを受けてスポット金(現物金)は1オンス当たり2583.55ドルまで下落した。

(3)マクロ経済イベントの影響

直感に反するかもしれないが、大きなマクロ経済ショックが常に金と銀の価格を押し上げるとは限らない。突然の市場パニック、とりわけ株式の急落局面では、投資家が他の損失を埋めたり現金を確保したりするため、金と銀のポジションを素早く手仕舞うことがある。Blanchard Goldの景気後退に関する調査が指摘するように、景気後退の初期段階では銀価格は変動リスクが高まりやすく、流動性を確保するために投資家が資産を売却することで、当初は下落する可能性がある。

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新型コロナウイルスのパンデミックは、際立った事例を提供する。Blanchard Goldによれば、市場の流動性が蒸発した2020年3月、銀は約40%急落し、1オンス当たり12ドルを下回った。金もまた、投資家が何よりドルの流動性を求めて奔走する中で、反発前の数週間は下落した。こうした投げ売りは、安全資産需要という語りを一時的に完全にかき消し得る。

力強い経済成長も貴金属の重しになり得る。JM Bullionの需給ガイドによれば、新たな景気拡大は消費者信頼感を高め、金への需要を減らす結果になり得る。リスク選好が高く株式市場が上昇しているとき、貴金属の防御的性質は多くの投資家にとって重要性が薄れる。Blanchard Goldのデータでは、銀は特に、1990年代半ばの回復期と2001年の景気後退後の局面で相対的に冴えなかった。テックと金融セクターが市場反発を主導し、コモディティより株式が選好されたためである。

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