マーケティング

2026.04.10 18:11

「新SEO」はYouTubeとクリエイター 大半のブランドが取り残される理由

Koshiro K - stock.adobe.com

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AI時代における最重要のマーケティング資産はクリエイターである。にもかかわらず、多くのブランドはいまだに彼らを「コンテンツ」として扱っている。

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AIが発見のルールを書き換えつつある。生成エンジン最適化(GEO)が、消費者が製品を見つける主要な手段として検索に取って代わりつつあるのだ。GEOが報いるのは、有料メディアではなく「信頼」と「関連性」だ。いま、最も信頼される情報源はクリエイターである。そして、その権威を最も強力に獲得しているプラットフォームがYouTubeにほかならない。

ブランドがかつて知っていた検索の世界は消え去った

ジョナサン・リスターは、約20年にわたり検索エンジン最適化に携わってきた。世界最大の独立系メディアエージェンシーであるホライゾン・メディアでSEO担当バイスプレジデントを務め、大手ブランドに検索戦略を、そして近年ではGEOについてもアドバイスしている。

彼がいまクライアントに伝えていることは、耳の痛いものだ。

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グーグルとウェブサイト運営者の間の契約は破綻した。グーグルはもう、あなたにトラフィックを送ることに関心がない。

ジョナサン・リスター、ホライゾン・メディア SEO担当バイスプレジデント

長年にわたり、ブランドは検索に投資し、グーグルはトラフィックを送ってきた。その関係は終わったのだ。

いまや消費者が何を見つけるかはAIが決める。そしてAIが最も信頼するのはYouTubeである。そこではクリエイターが長年かけて視聴者と深い関係を築いてきた。すべての動画には文字起こしが付く。AIが読むのは動画ではなくテキストだ。文字起こしがあることで、クリエイターの信頼が機械に読める形になる。TikTokやInstagramは同じ仕組みではない。ブライトエッジによれば、AIによる引用において、YouTubeは他のどの動画プラットフォームよりもおおむね200倍多く挙げられている。

「GEOのリソースとしてYouTubeチャンネルを持つことは、これまでになく重要になっている」とリスターは言う。ブライトエッジによれば、YouTubeはAIにより、他のどの動画プラットフォームよりもおおむね200倍多く引用されている。

CMOが何を優先すべきかと問われると、リスターは「鮮度」を挙げる。「AIは新しさを重視する。90日を超えたコンテンツは関連性が低くなる。ブランドが継続的に発信していなければ、すでに遅れている」

この緊急性は、大半のブランドがこれまで直面したことのない問題を浮き彫りにする。AIにはキーワード順位レポートに相当するものがない。引き出せる履歴がない。問い合わせるデータベースもない。「大半のブランドは、いまこの瞬間にAIが自社について何を言っているのか見当もついていない」とリスターは言う。「そして、遡って確認する手段もない。今日から追跡を始めるしかないのだ」

AIの新たな通貨は「信頼」

ブランドにとって、これによりYouTubeの位置づけは根本から変わる。YouTubeチャンネルは、もはや「コンテンツだけ」の施策ではない。AIの引用を生み、時間とともに価値を積み上げる、GEOに適した検索資産であり、有料メディアだけでは再現できないものだ。YouTubeをオプションとして扱い続けるブランドは、高くつく過ちを犯している。

ジェニファー・ピニャは、その証拠を握っている。

10年分のクリエイターコマースデータが示すもの

ピニャは、クリエイターコマースプラットフォームであるマジックリンクスの共同創業者兼ブランド戦略・収益担当バイスプレジデントだ。同社は、YouTube、Instagram、TikTokなどのソーシャルプラットフォームで、クリエイターと5000以上のグローバルブランドをつなぐアフィリエイト型キャンペーンを展開している。3万8000人のクリエイターから10年分の購買データを蓄積し、販売に至るまでのパフォーマンスを追跡しているマジックリンクスは、どのクリエイターとどのコンテンツが実際に収益を生むのかについて、業界でも屈指の包括的な知見を持つ。ブランドパートナーには、ウォルマート、ノードストローム、セフォラ、ルルレモンが名を連ねる。

ショッピングは「検索してクリック」から「問いかけて信頼」へ移行している。もうクリックされることを目指しているのではない。引用されることを目指しているのだ。

ジェニファー・ピニャ、マジックリンクス共同創業者兼ブランド戦略・収益担当バイスプレジデント

マジックリンクスのデータは、YouTube投資の長期的な価値を裏付けている。「YouTubeコンテンツは公開後2年以上にわたり、ブランドの収益と認知を牽引する」とピニャは言う。「総収益のおよそ20%は、12カ月を過ぎてから生まれている」

ただし、長期的な効果が発揮されるのは、ブランドがコンテンツを正しく構築した場合に限られる。マジックリンクスの最近のキャンペーンでは、同じブリーフで制作し、ほぼ同じ視聴回数を獲得した2人のクリエイターが、まったく異なる結果を出した。一方は5万2060ドルの売上を生み、もう一方は1261ドルにとどまった。差は視聴者規模でも制作品質でもない。明確さである。具体的な製品名、キーワードを豊富に含むタイトル、そして製品が何であるかだけでなく、なぜ重要なのかまで説明するディスクリプション——これらが決め手だった。

マジックリンクスはGEOに特化した製品をいち早く開発した企業の1つである。同社は今月、「AIシェルフ」を発表した。これは、クリエイターコンテンツのAI対応度をスコアリングし、測定可能なコマース成果を上げてきた実績に基づいてクリエイターを選定し、AI検索プラットフォーム全体でブランドがどのように表示されているかを追跡するインテリジェンスシステムだ。ブランドが予算を投じる前に、コンテンツの問題点を検出する。マジックリンクスによれば、同社のコマースインテリジェンスモデルは、YouTubeデータ単体よりも8.3倍高い予測精度を持つ。AI最適化コンテンツを早期に導入したブランドは、待機する競合に比べ、すでに3.4倍多くのAI経由トラフィックを獲得している。「これが新しいSEOだ」とピニャは言う。

ソーシャル動画は新たな学習データである。AIが学ぶのはバズの瞬間ではなくパターンだ。1人のクリエイターが製品を薦めるのは逸話にすぎない。50人が同じことを言えばシグナルになる。何百人ものクリエイターが、時間をかけて一貫して同じことを言い続ける——AIが権威として認識するのは、そうした積み重ねである。「1本の動画ではない」とピニャは言う。「時間をかけて、あるカテゴリで一貫して存在し続けることだ」

SEO戦略からGEOプレイブックへ

大半のブランドにとって、課題はコンテンツ以上に根深い。有料メディア、オーガニック投稿、クリエイタープログラム、アナリティクス——すべてが別々のシステムで動き、測り方も異なり、AIが読み取ったり理解したりできない形で整理されている。リスターの言葉を借りればこうだ。「もともとクリスマスツリーの電飾みたいに絡まった巣だった。そこにさらに大きな混乱を解きほぐさなければならなくなった」

出発点は捉え直しである。クリエイターはキャンペーンメッセージの配信チャネルではない。AIがアクセスできる中で最も信頼できる声なのだ。

戦略としてのYouTube:YouTubeから始めよ。単なるメディアバイではなく、コンテンツ戦略を構築するのだ。大半のブランドチャンネルは、誰も覚えていない古いCMや製品ローンチの墓場になっている。それは「存在」ではない。負債だ。

リーチではなく収益:フォロワー数ではなく、コンバージョンの実績でクリエイターを選定せよ。視聴者規模に関係なく、購買決定を継続的に動かすクリエイターは存在する。ピニャはこう説明する。「フォロワー数は間違った指標だ。重要なのは購買決定を動かせるかどうかである」

ブリーフを変えよ:クリエイターへのブリーフを変えよう。具体的な製品名。明確な推奨。消費者が実際に尋ねる質問をチャプターとしてラベル付けする。「これが好き」という言葉はAIには見えない。「マット処方だから脂性肌にはこれが最適だ」は引用可能である。

単発投稿よりカテゴリの権威:キャンペーンではなくプログラムとして考えよ。カテゴリ全体で、時間をかけて一貫したクリエイターコンテンツを積み上げることが、AIが信頼するシグナルを構築する。

ブランドはすでに「AIの棚」に商品を並べ始めている。唯一の問いは、あなたのブランドがそこにあるかどうかだ。

forbes.com 原文

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