イランはシャヘド・ドローンで、約4293億円の軍艦を抑止
最近の紛争は、ドローンがいかに戦場を変えつつあるかを示している。イランは自国のドローン戦略の費用対効果を実証した。イランの3万ドル(約477万円)のシャヘド・ドローンが、27億ドル(約4293億円)の価値を持つ軍艦を抑止しているのだ。開戦から最初の1週間で、イランは中東各地の標的に2000機以上の低コストドローンを発射し、地域に完全な混乱を引き起こした。着弾時に爆発する爆薬を搭載した安価なイラン製ドローンは、空のAK-47と呼ばれている。実際、これまでの米軍に対する最も犠牲者の多い攻撃は、クウェートの米軍基地を襲ったドローン攻撃で、米兵6人が死亡した。
イランはまた、湾岸地域のソフトターゲット(民間施設など)への攻撃にドローンを巧みに活用している。イランのドローン攻撃はサウジアラビア最大のラスタヌラ製油所を直撃し、生産を停止させた。一方、カタールの世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出ターミナルもドローン攻撃を受けて閉鎖され、カタールのLNG生産能力の17%が最大5年間にわたって失われることになった。イランのドローンはクウェート政府省庁のオフィスビルも攻撃し、甚大な被害をもたらした。世界有数の繁忙空港であるドバイ空港付近へのドローン攻撃は、湾岸地域の航空に混乱を引き起こした。
高額なパトリオットを消費し続け、コストの不均衡が防衛網の深刻な脆弱性に
コストの不均衡は、現在の防衛システムにおける最も深刻な脆弱性である。ドローンを使用することで、イランは数十億ドル(数千億円)規模の防空網を実質的に破産させることができる。湾岸諸国はすでに、イランのドローンを撃墜するために、1発あたり400万ドル(約6億4000万円)のパトリオット迎撃ミサイルを数百発消費している。一方、米国も製造に数年と数百万ドル(数億円)を要する高価なパトリオットやTHAAD迎撃弾を失っている。開戦から最初の1週間で、イランの攻撃ドローンはカタールにある早期警戒レーダー(11億ドル[約1749億円]の弾道ミサイル追跡システム)も破壊した。
そしてイランが数千機のドローンを発射しても、その供給は迅速に補充できる。米国の情報評価によると、イランはまだドローン保有量の約半分を残しており、月に約1万機を生産している。ドローンは組み立てや展開に大規模なインフラを必要としない。ガレージで組み立て、トラックの荷台から発射できるのだ。
ウクライナはドローン攻撃の80%を迎撃し、多層的な対ドローン防衛システムを構築
ウクライナは、戦争がいかに急速に進化しているかを示す最も明確な例である。ウクライナでは、ドローンがすべてのカテゴリーにおける損失の60〜70%を占めると推定されている。しかしウクライナは適応し、電子戦と新型迎撃ドローンを活用した多層的な対ドローン防衛システムを構築し、ドローン攻撃の80%を迎撃できるようになった。直面する脅威を理解したウクライナは、ドローンの研究開発と生産を優先してきた。
緊急性から、ウクライナは研究開発を完全に民間セクターに外部委託し、ドローンメーカーがプロトタイプ段階まで独自に資金を調達して技術を開発している。ウクライナ軍が目にする時点で、ドローンはすでに実戦条件でテストできる状態の動作するプロトタイプになっている。その結果、軍は効果的でないプロトタイプへの資金提供ではなく、技術のテストと運用に集中できる。
このモデルは、軍事イノベーションの在り方における根本的な転換を表しており、スピードと費用対効果を優先している。米国が旧来型の紛争向けに設計された数十億ドル(数千億円)規模のプラットフォームに投資し続ける一方で、敵対国は規模、スピード、手頃さを基盤とした戦争モデルを洗練させている。国防総省は、ライバルを出し抜くイノベーションよりも、ライバルを上回る支出に重点を置いているように見える。


