北米

2026.04.07 11:00

米国の製油所は「シェールオイルを処理できない」という話は本当か?

Justin Sullivan/Getty Images

次に、操業上のボトルネックが発生する可能性がある。軽質原油は揮発性の高い製品を多く生成するため、精製システムの一部に過負荷がかかり、処理量が結果的に低くなる場合がある。

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軽質原油を投入しても米国の製油所は機能する。しかし、効率は低下し、収益性も悪化するのである。

経済性の問題

「できる」と「すべきである」との区別は極めて重要だ。

米国の製油所には、シェールオイルを処理する能力が十分に備わっている。しかし、軽質原油のみを使用すれば、高価な設備が遊休化し、利益率が削られることになる。また、全体の効率と生産量も低下するだろう。

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実際には、製油業者は原油を混ぜ合わせることで最適化を行っている。米国産の軽質原油と輸入した重質原油を混合し、生産量と収益性の両方を最大化させているのだ。

同時に、余剰となった米国のシェールオイルは、それを効率的に処理できる設備を持つ欧州やアジアの製油所へ輸出される。世界には重質原油を処理するための高価な設備を持たない製油所が数多く存在する。米国のシェールオイルは高価だが、それらの製油所にとっては最適な原料なのである。

これがシステムの実態であり、それは意図したように機能している。

輸出禁止措置が的外れである理由

原油の輸出制限や禁止を求める声は、そうすることでガソリン価格が下がるという誤った信念に基づいていることが多い。

現実には、製油業者に軽質なシェールオイルへの依存を強いることは、効率の低下、燃料供給の逼迫、そしておそらくコストの上昇を招くだろう。世界の原油市場は相互に連結しており、そこに人為的な制約を加えようとすれば意図しない結果を招くことが多い。

原油の輸入と輸出を同時に行うという矛盾に見える動きは、単に最適化を意味するに過ぎない。異なる種類の原油が、それを処理するのに最適な製油所へと流れることで、システム全体の価値が最大化されるのである。

作り話と現実

米国の製油所はシェールオイルを「扱えない」という説は、それが直感に訴えるからこそ生き残り続けている作り話に過ぎない。しかし、その説は技術的な能力と経済的な現実を混同してしまっている。

米国の製油所はシェール原油を精製できるし、実際に精製している。ただ、大規模にそれを行うと儲けが減るというだけのことなのだ。

他のあらゆるビジネスと同様、製油業界においても、重要な問いは常に「それが可能か」ではなく「経済的に理にかなっているか」なのである。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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