ビジネス

2026.05.11 14:15

「新卒でアマゾン、からの英国転籍」も。世界・欧州で働く日本人アマゾニアンたち

左上:筆者、左下:西村真衣氏、右上:山田佳奈氏、右下:中村友香氏

パブリックスピーキングとセルフマーケティングの重要性

西村:パブリックスピーキングやライティングのスキルは、特に欧州やアメリカで仕事をする上では重要だと感じています。これはMBA時代から思っていることですが、欧米の教育を受けてきた人たちは、パブリックスピーキングがナチュラルにできます。本当に「あなたは大統領ですか」と思うくらい立派なスピーチを即興でできたりするわけです。日本でももちろん徐々に重要になってきていると思いますが、もともとパブリックスピーキングというコンセプト自体が日本ではあまり馴染みがないのではないかと思います。

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人前で話すスピーキングだけでなく、ライティングも含め、英語でのフォーマルなコミュニケーションスキルは、自分もまだ望むレベルに達していませんし、やはり磨いていかなければいけないと感じています。

竹崎:欧州の人たちからも、パブリックスピーキングができることが、良いリーダーである、信頼される基準になっているということですね。逆に、内面がどんなに優れていても、人前で話すことがうまくできないと、過小評価されたり信頼されなかったりします。

西村:アマゾン の全社ミーティングや四半期決算報告でも、質疑応答も含めて、各部門のリーダーのプレゼンは本当に上手ですよね。自分で全部対応できる人が求められる環境だと感じています。

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竹崎:褒めるのもとても上手だと感じています。周りのチームメンバーが何をやっているかをちゃんと理解しようとして、その貢献をみんなの前で拾い上げ、「先週はこのチームがこういうことをやりましたよ」と紹介・アピールするリーダーが多いと感じました。

山田:そういう点でいうと、逆に上司には自分で成し遂げた事を声を大にして言わないと、控えめにしていてはあまり注目されにくいと感じます。特にアマゾンに転職してから、自分が何をしたかを適切なタイミングで口にすることの重要性を実感しました。社内でのセルフマーケティングというスキルも必要だと、強く思うようになりました。

竹崎:黙々と仕事をしていても、きちんと評価してくれるだろうという期待は、あまり成り立ちませんよね。10人いて、10人全員がバーッと自己主張している中で、1人だけじっとしていると、単純に割り引かれてしまいます。

AIでコミュニケーションはどう変わる?

竹崎:一方で、AI活用で言語面での差は埋まっていく気がします。

山田:英語ネイティブではないため、社内のAIツールにメールや文章作成をとても助けられています。内容も直してくれるので、非常にありがたいです。

竹崎:今後、面接や重要な会議でも日本語で話してリアルタイムに現地の言葉で伝えてくれる環境が増えてくるのではないでしょうか。英語が得意でない日本人にとって、面接や重役との会議でも英語を話さなくてよくなる可能性があります。ただ、「直接その言語で伝えることに意味がある」という考え方もあり、文化的なニュアンスや人間関係の構築という面で、直接その言語でコミュニケーションを取ることの価値は残り続けると思われます。

山田:日本語は特にニュアンスの部分が多い言語なので、それがうまく訳されるかどうかが鍵になります。現在のクオリティでは、まだ遠いと感じています。思っていることと全然違う伝わり方をしてしまうこともあります。

竹崎:AIが空気・行間も読んで翻訳してくれると良いですが、それが実現するまでは、空気や行間を含めた言い方ではなく、欧州の人たちがストレートに理解できるアサーティブネス(自己主張)、つまり思っていることを文字や言葉でそのまま伝える技術を、日本人も身につけていく必要があると思います。

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